言葉は要らない!?音楽と映像で饒舌に語る『ベイビー・ドライバー』
台詞、ナレーション、
まさしく映画というメディアの特徴と言えるだろう。エドガー・ライトはそれを今作でやってのけた。
この、「言葉や文字を使った説明」に頼らない=
銀行強盗の逃し屋をやってる凄腕ベイビーフェイス・
そしてその饒舌な映像の連なりをドキドキしながら観てる我々は、い
※この映画の前に、監督エドガー・ライトが撮ったPV。
この時点で既に今作で使われてるアイディアの片鱗が見えるので、興味がある方は是非こちらもどうぞ!
Mint Royale - Blue Song
もし、この映画でも物足りと思った渋い物好きの、あなた。アメ車がかっこいいこちらの映画もオススメです!michischili.hatenablog.com本日も最後までご覧いただきありがとうございました。コメントの書き込み、その他SNSでのシェアなどして頂けるととても嬉しいです!それではまた!
◤地方創生と音楽イベント◢〜首都以外で成功する海外フェス〜

地方創生とイベント
東京への一極集中が加速する昨今、地方を活性化させようという様々な取り組みが行われています。行政レベルでは地方創生、ふるさと納税、地域おこし協力隊等、国から自治体レベルまで一丸となって地方の過疎化・東京一極集中を是正しようと取り組んでいます。最近流行りのゆるキャラや地域限定のお菓子やキャラクターグッズなどもその一例ですね。
民間も違った形で地方創生に貢献しています。地方に本社や大きな工場を有する企業はそれだけで地元の雇用創出に貢献してますし、野球やサッカーのチームが存在している地域はそれだけで大きな活力となります。また、官民での取り組みの中で最近よく見るのが地域での芸術祭などですね。有名なところでは瀬戸内国際トリエンナーレや越後妻有トリエンナーレなどがあります。美術館という箱だけで完結する鑑賞体験ではなく、街に点在する既存の学校や、工場、民家、そして何よりその地域特有の大自然を最大限に活用して、サイト・スペシフィック(そこにしかない)な作品や体験型作品を設置することで国内外のアート好きが集まる一大イベントとして注目が集まっています。
そして、今回の本題となる音楽フェスもあります。国内だと苗場スキー場を拠点としたフジロックや、もう少し都会に近いですがサマソニなどは地方創生という言葉ができる前からありますね。こういったイベントを誘致できると、地元に大きな経済効果があるだけでなくその地域のイメージアップ(ブランディング)にも繋がりますね。さて、今回僕が参加してきたイベントは電子音楽の祭典の先駆けとして、本国カナダを始め欧米では大きな影響力を持つフェスとして認知されているMutekというフェスでした。
街の活性化・プラットホームとしてのフェス
11月初旬の土曜のお昼頃、日本科学未来館で開催されたmutekと言うモントリオール発のデジタルアートx音楽のフェスに参加してきました。昼間の部は正確には、ICDC=International Conference of Digital Creativity、訳して「デジタル・クリエイティビティに関する国際会議」、とでも良いましょうか。 VR、AI、ロボットなど、テクノロジー関連のレクチャーが多い中、個人的に惹かれたテーマのディスカッションに参加してきました。題して、「人と都市を育てる、世界のデジタルアートフェスの秘密」というパネル・ディスカッション。昼間は入場無料だったので、ビールを持ってフェスに参戦する前に、大人しくメモ帳とペンを持って講義室に座りました。
- 地方創生とイベント
- 街の活性化・プラットホームとしてのフェス
- 女性キュレーターの活躍
- プラットホーム・フェスの役割
- 地道な資金集めと運営
- 地方と観光
- 対立、そして逮捕も
- フェスと教育について
- 首都以外で成功しているフェス
- Mutekそのものは?
女性キュレーターの活躍
司会進行役には音楽ジャーナリストのジェイ・コウガミ氏。
登壇者は以下の通り:
カナダ、モントリオールからのアラン・モンジェー。彼がmutekの生みの親として登壇。
スペイン、バルセロナ発のフェスsonarのキュレーター、アントニア・フォルゲラオランダ、ハーグ発today's artの代表のオロフ・ヴァン・ウィーデン
そしてロシア・サンクトペテルブルク発、gammaフェスのキュレーター、ナタリア・フクス
というメンバー。ちなみに上記のうち、アントニアとナタリアは女性。日本でこういうデジタルアート関連のイベントがあると、だいたい登壇する人は男性が多い印象がありますが、そんなの関係ねぇという具合に英語でのディスカッションがスタート。
プラットホーム・フェスの役割
それぞれの登壇者が自分達が携わっているフェスのPVを流しながらフェスの特徴を解説。印象的だったのはMutekを設立したアランの視点。
「映画、舞踊、文学など芸術の様々なジャンルにおいてフェスティバルがあるように、デジタルアート・音楽のフェスティバルもあっていいと思った。こういったフェスには、クリエイター・ミュージシャン達がプロフェッショナルとして活躍するためのプラットフォームとしての機能があると思っている。mutekを設立した当初は、北米にはこういったジャンルのフェスが少なく、こういうジャンル好きな人はほぼ皆ベルリンに行ってたが、今ではたくさんのクリエイターやアーティスト達がモントリオールに移住してきて街の活性化にも貢献できている。」と答えてました。
地道な資金集めと運営
その後司会のジェイが質問を投げかけます。「皆様の携わっているフェスの資金集めはどうされているのですか?」と。今回のフェスは4つとも大手企業による運営ではなく、独立した団体で運営されている様子。だいたい共通して、地方自治体や州政府の基金は欠かせないという回答が意外でした。アランは「2年目にケベック州が出してくれた10,000 CAD(日本円にしてざっくり100万円)がなければ今のmutekは存在しない。それくらい助かった」と。オロフは「フェスを始めた最初の数年は全く利益がなく、僕はバーで働いて生活費を稼いでいたよ」と。今では大企業(AmazonやLVMHなど)もこれらのフェスに参加するほどになっているものの、始まった当初はとても小さく、一人一人のスタッフが手塩にかけて育ててきた様子がうかがえました。
地方と観光
また、地方を拠点とし、資金援助を貰うためには地元との繋がりも欠かせません。Mutekはケベック州モントリオール市のイベントであるがカナダ・クリエーター・アーティスト枠も設けているそう。直近では、カナダ全土から300組以上のクリエーター・アーティストの応募があったとか。観光の側面も重要です。4つのフェスでも大体フェスの参加者の約半数は海外からくる観光客だそう。元々観光地ではあったバルセロナですが、「92年のバルセロナオリンピックの頃からバルセロナの街としての注目度が一気に上がって、94年にsonarがスタート。そこから爆発的にバルセロナの観光地化が進んだ印象があるわ」とアントニア。
対立、そして逮捕も
オロフは数年前、today’s artの開催数週間前に突然逮捕されたエピソードも紹介してくれました。「ハーグは国際裁判所や国際刑務所、その他国連機関も多く、「平和と正義の国際都市」としても知られています。でも、本当にそうなのか?平和が訪れる前は衝突があったはずだ。音楽や文化はそういった衝突も扱っていいはず。そこで「平和と正義の国際都市」ではなく、「衝突の国際都市」というキャンペーンを大々的に打った。そしたらテロを扇動してるという疑いをかけられてね。それでも他の地区の政治家の人達が釈放のために動いてくれて事なきを得たよ」と懐かしそうに話してくれました。こういった議論がきちんとできるのも、合理主義の精神と多様な価値観が集まる国家として有名なオランダらしいエピソードですね。

フェスと教育について
最後に再び司会のジェイから「教育という側面はフェスではどう担っていますか?」と質問。どのフェスでも教育には力を入れているようで、前述の通り若手クリエーターの登竜門になる要素もあれば、日中のプログラムではゲストスピーカーによる講演会も欠かせないそうです。sonarではゲストスピーカーに講演だけでなく、その後来場者も交えた様々なワークショップも開いてもらうようにし、現在では20以上のワークショップがあるそう。(ナノ・サテライトの作り方とか、かなりコアなワークショップもあるようです)
首都以外で成功しているフェス
なかなか普段聞けない、海外フェス運営の裏側をたっぷりと聞けた今回のパネルディスカッション。資金集めを行い、地元の理解を得て、地道にフェスを育て、大きくしてきたという点が印象的でした。正直、日本でのクリエイティブ業界や地域おこしでは、全体的に「プロ意識」が薄く、「好きな事をやれればそれでいい」という言説はよく見ます。そして残念ながらそういう考えで行われるフェスや芸術祭は、身内のお祭りに見えてしまうものも多い。そういった点ではアランの「フェスはアーティスト・クリエイターのためのプロフェッショナルのプラットフォーム」という発言は目から鱗でした。
モントリオールのMutek、バルセロナのsonar、ハーグのtoday’s art、サンクト・ペテルブルグのgamma、と見返してみると全て各国の首都ではなく、第2、第3の都市で花開いたフェスという共通点があります。地方創生または、東京一極集中の打開案の一つとして、今後はmutekは大阪とか他の都市でやっても面白いんじゃないかと思いました。(音楽とテクノロジーといえば静岡県浜松市にある某ヤ◯ハさんなんて真っ先にスポンサーとして名乗り出ても良さそうですね。)
また、すでに地方創生や地域おこしに携わっている人達は、「わかりやすいゆるキャラやイベントを作っておしまい」ではなく、クリエイターの為、観客の為という観点も盛り込んだ意識を持って頂けるとより面白くなるんじゃないかと思います。
Mutekそのものは?
そして夕方からは様々なアーティストの演奏や、企業による機材の紹介ブース、脳波を使って音楽を作るワークショップなどを見て回りました。その中でも特に印象的だったのが、ダンサーの梅田宏明のインスタレーション。今回は本人のダンスはなく、科学未来館のプラネタリウム内にこの映像を投影したバージョン。シンプルな線や点といった要素を使いながらも、視線がうまく誘導され音楽とのリズムもとてもよく取れていました。
Intensional Particle - extract
そして夜はデトロイト・テクノの重鎮、ジェフ・ミルズの圧倒的なパフォーマンスで締めくくりました。mutek jpはまだ今年で3回目。今後も期待です。最後に、映像がべらぼうにかっこよかったロシアのフェス、gammaのPVを載せておきます。
Gamma Festival 2017 - Official Aftermovie
ちなみに欧米の音楽・テクノロジー業界のマーケティングに興味がある方は、良かったらこちらのNetflixのドキュメンタリーもオススメです。ヒップホップって実は地方創生とは少しずれますが、地元を大切にし起業家精神もある面白いカルチャーなので、合わせて読んで頂けるとより面白いと思います!
本日も最後までご覧いただきありがとうございました。コメントの書き込み、その他SNSでのシェアなどして頂けるととても嬉しいです!それではまた!
星野源も憧れる才能、ドナルド・グローヴァーによるドラマ『アトランタ』
突然ですが、ドナルド・グローヴァーをご存知ですか?

今ポップカルチャーの中で最も勢いと人気のあるアメリカ人クリエイターのドナルド・グローヴァー。彼が主演・制作(一部では監督や脚本も)を手がけている大人気かつ超重要作のコメディ・ドラマ『アトランタ』が遂にNetflixで配信されたのでドラマの感想も含めてご紹介します!
ミュージシャン、チャイルディッシュ・ガンビーノとして
恐らく日本では彼の別名、チャイルディッシュ・ガンビーノの方が有名でしょう。
僕も彼のアルバムAwaken, My Love!というアルバムの方で先に知りました。
今夏に公開されたシングル曲「This is America」のMVが世界中で話題になりましたね。ここ日本でも様々なミュージシャン達が話題に上げていました。
この曲は過激なメッセージとパフォーマンス、そしてポップなサビと突如転調してダークな雰囲気になる独特な楽曲が印象的ですね。
実は彼、ドラマもイケてるんです。
俳優、ドナルド・グローヴァーとして
チャイルディッシュ・ガンビーノは彼のミュージシャンとして活動する時の名義で、俳優・コメディ業をする時にはドナルド・グローヴァーとして通しています。最近だと『ハン・ソロ/スターウォーズ・ストーリー』にも出ていましたね。

この映画はコケてしまいましたが、彼の演技は良かったという感想。ミュージシャン・俳優・コメディもこなしている、という点では日本だと星野源が近いでしょうか。と思ったら星野源もやっぱりドナルド・グローヴァーのこと、追っかけてるみたい。ちなみに星野さん、それだけ最先端を追っかけてるなら早くapple musicかspotifyに配信してくださいな。
星野源がラジオで語る‼︎源さんがチャイルディッシュ・ガンビーノの新譜を大絶賛‼︎
ドラマ、『アトランタ』
さて、そんなドナルド・グローヴァーが手がけるコメディ・ドラマがやっとNetflixで配信されました。前回Huluで配信されたときは本当に2週間くらいの限定だったので観れた人もかなり少なかったようです。僕をはじめ、洋画ファンがnetflixにリクエストをし続けたのが届いたのでしょう、シーズン1だけですがとりあえず観れます!舞台はアメリカ南部、ジョージア州アトランタ。実はこのアトランタ、最近のヒップホップの一大トレンド、トラップというスタイルの発信地でもあり、MigosやFutureといった新たなスターも多く誕生しています。
ヒップホップやトラップのイメージが先行すると、いかついイメージが強いですがドラマ『アトランタ』はシュールでポップで笑えます。

ドナルド・グローヴァー演じるドラマの主人公、アーンはプリンストン大を休学して地元でフラフラしているという設定です。奥さんも子供もいるのに、定職がなく家賃も払えない為ホームレス状態。そんなときに今話題のラッパー、ペーパーボーイとして活躍する従兄弟の話を耳にし彼は思い立ちます。よし、俺をマネージャーとして雇ってもらう、と。ラッパーの従兄弟は出てきますが、ゴリゴリの音楽業界の闇を暴く、というドラマではなく、うまい具合の緩さがやみつきになるドラマです。

ツッコミ役で、みんなのリーダー的な太っちょラッパーの従兄弟、アルフレッド。ラッパーの時はペーパーボーイという名前。これもまた笑える。これまた人気爆発間違いなし、アメリカ版オダギリジョーとでもいいましょうか、シュールでお洒落で、何を考えてるかわからないダリウスというキャラクターがメインの3人。

左)アーン 右)ダリウス
ダリウスのスタイル、結構好きなので他にも貼っときます。笑

左)ダリウス 右)ペーパーボーイ
主人公が割と冷めた感じで周りと接していて、シュールな雰囲気もあってそれがまた笑える。アメリカ版ズッコケ3人組かと思いきや、村上春樹っぽさもあるドラマなのが魅力。
期待の若手日系監督、ヒロ・ムライ
チャイルディッシュ・ガンビーノ名義のMVでもタッグを組む日系の監督、ヒロ・ムライによる撮影も印象的です。時折差し込まれる街や風景の空撮や、ブルー系の色合いを強調する撮影が日常の中に少し幻想的な雰囲気が出るのですが、ヒロ・ムライは村上春樹が好きなようですね。とりあえず1話完結のものが多く、1話も30分弱と他の海外ドラマよりはとっつきやすいです。新旧のブラック・ミュージックの名曲がふんだんに使われるのも音楽好きにはたまらないですね。
チャイルディッシュ・ガンビーノでは上半身裸でやや過激なパフォーマンスが印象的ですが、ドナルド・グローヴァーとしては一歩引いた品のある雰囲気も出せます。テーマ、笑い、音楽、全てのバランス感覚の良さがずば抜けているクリエイター、ドナルド・グローヴァーによるドラマ、『アトランタ』。是非、ご覧ください!
このドラマに限らず、今ヒップホップがジャンルを超えて様々な分野で注目されています。あのApple史上最も高額な買収となったヘッドホンブランドを作った2人がヒップホップ界出身ということを描いたNetflixのドキュメンタリーがありますので是非こちらも読んでみてください。
本日も最後までご覧いただきありがとうございました。コメントの書き込み、その他SNSでのシェアなどして頂けるととても嬉しいです!それではまた!
『ゲーム・オブ・スローンズ』の圧倒的世界観!音楽・衣装・言語の作り込みが凄い
先週行われた、第70回エミー賞授賞式。そこで作品賞を始めとする9部門を制覇したドラマ、『ゲーム・オブ・スローンズ』についてご紹介をしております。第2回目の今回は『ゲーム・オブ・スローンズ』の圧倒的な世界観について解説します!世界観を作るのに欠かせない音楽・衣装・言語の魅力をお伝えしましょう。 3回にわたってこの壮大なドラマについて紹介してます。是非第1回から読んで頂けると嬉しいです。
・その1『ゲーム・オブ・スローンズ』入門!登場人物3人の意外な共通点とは!? - 【ブログ】マーケターが追うポップ・カルチャー最前線
・その2『ゲーム・オブ・スローンズ』の圧倒的世界観!音楽・衣装・言語の作り込みが凄い - 【ブログ】マーケターが追うポップ・カルチャー最前線
・その3サラリーマン必見!?『ゲーム・オブ・スローンズ』が描く理想のリーダー像 - 【ブログ】マーケターが追うポップ・カルチャー最前線
音楽/ ラミン・ジャヴァディ
まずはこちらをお聞きください。
『ゲーム・オブ・スローンズ』のオープニング・テーマ曲です。
前回もご紹介したように、『ゲーム・オブ・スローンズ』は中世ヨーロッパを模した架空の世界を舞台としています。この架空の世界で玉座を巡る大戦争や、異民族との対立や、ファンタジーの要素もあるドラマです。当然、音楽もその世界観に合う物が求められますよね。
そこで白羽の矢が立ったのがラミン・ジャヴァディ。上記の曲を始めとして、『ゲーム・オブ・スローンズ』の楽曲を手がけているのが、イラン系ドイツ人のラミン・ジャヴァディです。架空の世界の話ですが、中世をイメージしている、という意味ではクラシック音楽が登場する前、というニュアンスも含まれているのでしょう。異国の地の音楽も、ジャヴァディによる弦楽器の軽快なリズムによってオリエンタルな雰囲気が強調されます。 ラミン・ジャヴァディは既に数々の映画やドラマの楽曲を手がけています。
トム・モレロをフィーチャリングした『パシフィック・リム』の音楽や、
『ゲーム・オブ・スローンズ』と同じくHBO制作の大作ドラマ、
『ウェストワールド』の音楽も有名です。
こうやって彼の経歴を振り返ると、戦闘が多い映画やドラマで起用されることが多いようですね。弦楽器を使った、リフっぽい音の刻みも1つの特徴でしょうか。ラミン・ジャヴァディはオープニング曲以外にも、様々な魅力的な音楽で作品世界に彩りを与えています。ちなみにですが、ラミン・ジャヴァディの師匠はあの映画音楽界の大御所、
ハンス・ジマーというのもびっくり。
最近ではブレードランナー2049の曲や、
ダークナイトの曲も有名ですね。
ハンス・ジマーはもうどんなジャンルでも作曲できてしまうので、(『ライオン・キング』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』の曲も担当)比較してしまうのも悪いのですが、ラミン・ジャヴァディも今後どんなジャンルに挑むのかが楽しみです。
衣装
さて、『ゲーム・オブ・スローンズ』は衣装も魅力的です。

北部を統治するスターク家の2人。左は前回ご紹介したジョン・スノウですね。
右がスターク家当主のネッド・スターク。極寒の地ならではの、毛皮の使いの衣装が印象的です。一方こちらは首都の貴族の服装。
左の女性、サーセイ・ラニスターは如何にも贅沢な織りの生地使い、上流階級の人間らしい服を身にまとい、豪華なネックレスや髪型をしています。
こちらはディナーリス・ターガリエン。様々な場面で着るドレスが変わりますが、どれも印象的なシルクのような素材ですね。隣の大陸の遊牧騎馬民族の服装も見てみましょう。
ドスラク人と呼ばれる彼らは、草原を馬に乗って駆け巡る屈強な部族として描かれます。男は髪と髭を伸ばし、鞣した皮を防具・アクセサリーとして身につけいていますね。湾曲した刀もオリエンタルな要素が見られ、印象的です。このように、地域、身分、職種、キャラクターに応じてきちんと衣装から世界観を作り込むところも『ゲーム・オブ・スローンズ』の魅力と言えます。
言語
『ゲーム・オブ・スローンズ』はイギリスを模した架空の世界が舞台、ということもあり、基本的にキャラクター達はイギリス英語を話します。しかし衣装同様、キャラクターの出身地や、身分、役職などによってそれぞれの訛りで話すようになっています。北部出身のキャラクターはアイルランド系やスコットランド系の俳優をキャスティングしたり、兵士達は兵士らしい英語を話す一方、首都の貴族達は英国上流階級の話す英語、と棲み分けられています。また、先ほど触れたばかりの騎馬民族のドスラク人ですが、最初の数シーズンではかなりの頻度で登場します。彼らはドスラク語という言葉を話すのですが、この架空の民族の架空の言語を作るのに、ちゃんとした言語学者を雇ったようです。
ドスラク語 - Wikipedia ウィキペディアにはなんとドスラク語の単語、文法、発音までも記述されているという徹底っぷり。実際にキャラクター達がドスラク語を操るのを見ていると、本当にこんな人達がいるのではないかと思うほど、世界観がきちんとしています。
まとめ
以上、『ゲーム・オブ・スローンズ』の世界観(音楽・衣装・言語といった部分)についてのご紹介でした。わかりやすいCGだったり、大物スター俳優のギャラといった部分だけでなく、細かいディテールの部分にもきちんとお金と時間をかけているのがわかりますね。 脚本家の倉本聰は「大きな嘘はついても、小さな嘘はつくな」と言っていました。『ゲーム・オブ・スローンズ』はファンタジーという大きな「嘘(フィクション)」ですが、この大きな嘘に説得力を持たせる為に、世界観作りでも徹底的にお金も時間もかけてるのがこのドラマの魅力だと思います。ここまで、『ゲーム・オブ・スローンズ』の魅力を語ってきましたが、僕個人の一番魅力だと思うポイントはまだ語れていません。
それでは次回、完結編でお会いしましょう。
ちなみに、 『ゲーム・オブ・スローンズ』で豪傑なスタニス・バラシオンを演じる、スティーヴン・ディレイが出ている映画『ウィンストン・チャーチル』も役者や服装などの作り込みが凄いので興味がある方はぜひ!michischili.hatenablog.com
本日も最後までご覧いただきありがとうございました。コメントの書き込み、その他SNSでのシェアなどして頂けるととても嬉しいです!それではまた!
『ディファイアント・ワンズ』で学ぶヒップホップと起業家精神
Netflixで配信中のドキュメンタリー『ディファイアント・ワンズ』。後編の今回はヒップホップと起業家精神についてと、最後には僕の考察もご紹介します。
※この記事は前編後編、2回に分けてお送りしております。前編はこちら。
michischili.hatenablog.com
Appleを動かした2人の天才。音楽オタクが世界を回す『ディファイアント・ワンズ』
AppleによるBeats by Dreの買収が30億ドルと、Apple史上最高額の買収となった事を覚えてる方もいらっしゃるでしょう。今回紹介するのはそんなBeats by Dreを立ち上げた2人の天才を追ったドキュメンタリー、Netflixによる『ディファイアント・ワンズ』です。この作品はBeatsを創業したJimmy Ivone(以下、ジミー)とAndré Young( 通称Dr. Dre、以下ドレー)の半生の振り返りでもありながら、90年代以降の音楽とテクノロジーの流れも学べる作品です。
※この記事は前編後編、2回に分けてお送りしております。後編はこちら。
ヒップホップを中心とした音楽業界の話でもありますが、ジミーのマーケティングの天才っぷりと、ドレーのプロデュースの天才っぷりが描かれていて、仕事の面でも刺激になります。ドキュメンタリーシリーズとして、全編4話(各50分程です)配信されてますが、一気見してしまいました。この2人と音楽のエネルギーが詰まった作品です。
ジミー・アイオヴォンとドクター・ドレー
ジミー・アイオヴォン
1953年ニューヨーク、ブルックリン。イタリア系移民の家庭に生まれたジミー。
レコーディングスタジオの床拭きから始まりますが、ピンチヒッターとしてエンジニアになりなんとジョン・レノンのレコーディングを担当。
それ以降、パティ・スミス、ブルース・スプリングスティーン、U2等といった錚々たるミュージシャンのプロデューサーとして名を挙げていきます。
アンドレ・ロメル・ヤング
1963年、カリフォルニア・コンプトン生まれのアフリカンアメリカンのドレー。過激な言動で西海岸ヒップホップを一躍有名にしたグループNWA出身。後にミュージシャンとしてソロデビューをするだけでなく、2pac、スヌープ・ドッグ、エミネム、ケンドリック・ラマーといった数々のヒップホップミュージシャンのプロデュースを手掛ける。と、生まれも育ちも、ジャンルも違うこの2人がいかにして挫折や成功を乗り越えてきたが描かれています。 多くのミュージシャン、レコード会社の重役達のインタビューだけでなく、当時のレコーディングやライブ、PV等の映像が惜しみなく使われて、とてもリズミカルに編集されています。
レーベル設立と2人の出会い
さて、この2人はどう出会ったのでしょう。
ロック畑出身で、ヒップホップに詳しくなかったジミー。現場からは少しずつ退き、よりビジネス面へとシフトし始めていた頃。インタースコープというレーベルを立ち上げた時にドレーと出会います。FBIや世論を敵に回すほどのスキャンダルになったNWAを脱退したばかりのドレーは、満を持して作ったソロ・アルバムを売り込んで回っていましたが、風評被害もあったのかどこにも断られてばかり。
しかし、一聴したジミーは度肝を抜かれたようです。
ジミー「これ、誰がエンジニアとレコーディングやったの?」
ドレー「誰って、全部僕だよ」
ジミー「え?こんな音、今まで聴いた事ないぞ」
こちらの曲をどうぞ
直ぐにドレーはインタースコープ社と契約。周囲の予想を裏切りこのアルバムは大ヒット。2015年の時点でアメリカだけで累計570万枚売れた大ヒット作となりました。(日本で歴代最も売れたアルバムが宇多田ヒカルのFirst Loveで765万枚。その次がB'zのベストアルバムで513万枚と考えると、日本でB'zを聞く人達くらいの規模の人がドレーを普通に聞いていた、ということでしょうか。)
このアルバムは数字だけでなく、中身も革新的でした。作中でも言及されていますが、カリフォルニアは車社会です。音楽を聴くスタイルも、ヒップホップの生まれ故郷、ニューヨークとは違い、各々の車に搭載されたサブウーファーの(低音を響かせるスピーカー)響きが重視されていました。
ドレーはそこに目をつけプロダクションを進めます。結果、スローテンポで、低音が強調されたリズムにシンセサイザー等の音が乗った、明瞭な新しいヒップホップサウンドでした。これは後に多くのフォロワーを生むG-Funkというサブジャンルの代表作として知られるようになります。
- アーティスト: Dr Dre
- 出版社/メーカー: Death Row Koch
- 発売日: 2001/05/22
- メディア: CD
- 購入: 3人 クリック: 51回
- この商品を含むブログ (13件) を見る
ドクター・ドレーの時代
このアルバムの成功以降、ドレーは他のミュージシャンのプロデュースでも手腕を発揮します。独特の声質とフロウで西海岸のスターになったスヌープ・ドッグ
東西ヒップホップ抗争の中心に居ながらも当時最高の詩人としてヒップホップ界の注目を浴びていた2pac
東西抗争の悲劇的な終わりから、次のステップへと踏み出そうとした時に出会った白人の若手天才ラッパー、エミネム。
そしてこれらのドレーの活動は、ジミーによって自由が保証されていたからこそ、可能でした。 一方でジミーも現場からは遠ざかりましたが、ドレーと負けずとも劣らない90年代を代表するミュージシャンを見つけていました。
それがナイン・インチ・ネイルズの中心人物、トレント・レズナーでした。
- アーティスト: Nine Inch Nails
- 出版社/メーカー: Nothing
- 発売日: 1994/03/08
- メディア: CD
- クリック: 8回
- この商品を含むブログ (55件) を見る
次回へ続く
※ちなみに、ヒップホップ以外でも欧米の音楽業界・テクノロジー関連に興味があるそこのあなた。良かったらこちらの電子音楽の祭典、MUTEKの参戦記も書いたので是非ご覧下さい!このフェスの昼間のセッションでは、海外の様々な電子音楽のフェスの運営の話など僕が見渡した限りここまで詳細に書いてあるメディアはないと思える仕上がりなので、読んで頂けると嬉しいです!michischili.hatenablog.com
本日も最後までご覧いただきありがとうございました。コメントの書き込み、その他SNSでのシェアなどして頂けるととても嬉しいです!それではまた!
ルイ・ヴィトンの新デザイナー、ヴァージル・アブローって誰?
街中で皆様見かけた事は一度くらいはあると思います、このブランドoff white。高級ストリート・ウェアというコンセプトで若者に人気のブランドです。

この度、Off-Whiteの設立者であるヴァージル・アブロー(以下、ヴァージル)が、前任者キム・ジョーンズに代わり、ルイ・ヴィトン・メンズウェアのアーティスティック・ディレクターに就任しました。 Off-Whiteのデザイナーというのは知っていたものの、それ以外はあまり彼の事をそこまで知らなかったので、この際調べてみました。
このニュース、単なるファッションの話題に見えますが、このニュースの背景を理解すると、ポップ・カルチャーの最前線が見えてきます。ポップ・カルチャーの最前線では、ファッション、アート、音楽(ヒップホップ)、建築などと、ジャンルを跨いだ新しい交流が怒涛のように生まれています。ヴィトンやラグジュアリーブランドのマーケティング的視点から考えると、ヴァージルの起用はブランディングの一環とも捉えられますね。ではヴァージルって何者なんでしょうか?
はじめに
長らく更新が滞ってしまいましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?これまで映画でファッションを解説する、という視点でブログを書いてました。とは言え、自分の興味や守備範囲が広すぎる。この際、ポップカルチャー全般✖︎マーケティングのガイドマップのようにしよう、という事でリニューアルをしました。もっと言うと、最前線のポップカルチャー≒最前線のクリエイティブな人の集まりとも見れます。最前線を追いかける人の参考になれば、と思います。
ヴァージルと現代アート
ヴィトンのクリエイティブ・ディレクター就任に先立ち、ヴァージルが3月16日より広尾で初の個展を開催してました。という事で、今日会期終了ですが先日駆け込んできました。この広尾にあるカイカイ・キキ・ギャラリー、現代アーティストである村上隆氏が運営してるギャラリーです。こちらはヴァージルと村上の共同で展覧会を開催した時の画像。

注)真ん中はジャスティン・ティンバーレイクです。
村上氏曰く、「ヴァージルは単なるデザイナーではなく現代アートにも通じる物作りをしている」との事でした。展覧会を見た限り、正直「現代アート」として評価されるのかちょっと疑問を持ってしまいましたが、「消費社会」への言及と「企業ロゴ」の多用はある種、現代的だな、と思いました。ちなみに村上隆と言えば、日本画をルーツにしながら花柄のキャラクターやドクロなどをモチーフに描く事で国内より海外で人気のアーティストですが、村上隆も実はLVと仕事をしていました。

ヴィトンではここ数年、積極的に外部のデザイナーやアーティストを起用した限定商品の企画を行なっています。こういった積み重ねの上で、外部のクリエイターの起用が効果的であると判断されたのでしょう。限定商品だけでなくメンズウェア全体の責任者としてヴァージルが選ばれた理由にはこういう背景もあるようですね。
ヴァージルと音楽
ヴァージルは現代アートだけではなく、音楽業界にも大きな繋がりがあります。カニエ・ウェストというヒップホップ・ミュージシャンを皆様ご存知でしょうか。

左)ヴァージル・アブロー
カニエ・ウェストは2000年代〜今に至るまで、ヒップ・ポップのみならずポップ・ミュージックの世界では最先端の音楽を作る事で知られています。本人自身ラップをしたり歌ったりしますが、彼はソウル・ミュージックをサンプリングした甘く、どこか懐かしさを感じさせるトラック(曲)作りに定評がありました。デビュー以降も様々な音作りにチャレンジしているクリエイターです。
ヴァージルとカニエは同じシカゴ出身。しかも2人ともフェンディにてインターンをしていました。ヴァージルは以前カニエの設立したファッション・ブランドのクリエイティブ・ディレクターを務めていました。そして今では幻となってしまいましたが、カニエもヴィトンとコラボレーションをしていました。

そしてカニエの、3枚目のアルバムジャケットを手掛けたのは、そう村上隆です。
最先端の音楽と現代アートもこういう風に有機的に繋がっているんですね。
ヴァージルと建築
ヴァージルはところでどこでデザインについて学んでいたのでしょうか。調べると、アメリカのイリノイ工科大学で、建築を学んでいました。そこでレム・コールハースに学び、プロダクトのコンサルティングも学んだそうです。このレム・コールハースは建築界では建築家の建築家とも言えるような存在で、徹底したリサーチから提案される新しい建築の在り方は建築家だけでなく多くのクリエイターにも影響を及ぼしています。

そしてコールハースはヴィトンとは競合に当たる、プラダのマーケティングに長年携わっています。具体的にはミラノコレクションの会場設計や、プラダ財団や一部店舗の設計も手掛けていますし、プラダのプロジェクトをまとめてこんな本も出版しています。
Rem Koolhaas: Projects for Prada
- 作者: Rem Koolhaas,Miuccia Prada,Patrizio Bertelli
- 出版社/メーカー: Fondazione Prada
- 発売日: 2001
- メディア: ペーパーバック
- 購入: 3人 クリック: 20回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
建築側の視点ですと、こちらの美術手帳に掲載されているヴァージルのインタビューがより詳しいです。ファッション・ブランドのインテリアデザインについて詳しい建築家、浅子佳英さんがインタビューをしておりまして、こちらも勉強になります。
ヴァージル・アブローが語る自身の「DNA」。世界初個展「”PAY PER VIEW”」で見せるものとは?|美術手帖
最後に
いかがでしたか?このように、ポップ・カルチャーの最前線では、ファッション、アート、音楽(ヒップホップ)、建築などと、様々なジャンルを超えて新しい交流が生まれています。そして多くのグローバル企業のマーケティング企画ではこう行ったポップ・カルチャーやストリート・カルチャーの人間に仕事を依頼するケースが年々増えています。日本だとまだまだヒップホップを身近に感じられず、聞き慣れていない人もいるようです。今後このブログでは、ポップ・カルチャーがいかに様々な分野のクリエイターや企業のマーケティングと繋がっていくのかを紹介していきたいと思います。
興味がある方はこちらの記事もどうぞ!ヒップホップ発のヘッドホン・ブランドが、Apple史上最高額で買収されるに至った経緯を描いたドキュメンタリーを紹介してます。
本日も最後までご覧いただきありがとうございました。コメントの書き込み、その他SNSでのシェアなどして頂けるととても嬉しいです!それではまた!
ヒップ・ホップ誕生を描く、Netflixドラマ『ゲットダウン』
プーマのスウェード・クラシックが印象的に使われている『ゲットダウン』。実はこには理由があるんです。今回は、Netflixが製作したヒップホップ誕生の物語を描くド
ブロンクス生まれ、プーマ育ち
舞台は1977年ニューヨーク、ブロンクス。当時は街中には貧困が蔓延り、

初期ヒップホップとスニーカー

michischili.hatenablog.com さて、ドラマは77年から数年間(第2シーズンでどれくらい進むかにもよりますが)を描いてますが、少し先に進んでみましょう。RUN-DMCによって一気にメジャーな音楽の仲間入りを果たしたヒップホップですが、当時はまだまだアフリカ系、またはヒスパニック系の文化というイメージが強かったです。 そんなイメージをこのグループが壊します。

『ゲットダウン』の魅力とは?

彼女はキリスト教の牧師を父に持ち、教会で聖歌を歌っていますが、ディスコ・スターになり、この貧困の街から出たいという夢を持っています。しかし、厳格なペンテコステ派の牧師の父からは、ディスコは悪魔の音楽だ、と断固反対されます。ディスコ音楽と教会音楽という部分もきちんと描いているのはとても勉強になります。アメリカのミュージシャンで聖歌隊出身の人は非常に多い点から、その背景を観れるのは日本に住む僕たちにとってはとても新鮮だと思います。誰もが、エゼキエルの教養の深さを評価しているにも関わらず、彼は才能を活かしきれない。誰もが、マイリーンの歌声を評価しているにも関わらず、父がその才能を使わせてくれない。 この才能のある若者二人は時代の波にのまれてしまうのでしょうか?
このドラマ、ヒップホップ誕生物語でもありますが、若者の青春ドラマでもあり、弱者が夢を掴みとろうとするアメリカンドリームも描いてます。服の話からずれてしまいますが、ヒップホップ誕生と切ってもきれないグラフィティ(落書き)の文化もリアルに描いています。この夏公開されてからは、アメリカで大ヒットしたみたいですが、日本でも同じ公開時期に観れるのはいいですね。僕も寝る間を惜しんで一気見してしまいました。今回はスニーカーを中心に解説しまたしが、いかがでしたでしょうか?ちなみに未だにヒップホップとスニーカー(ファッション)の関係は切っても切り離せず、最近ではKanye West がAdidasと共同でプロデュースしているyeezyというスニーカーが人気だったりします。
無法地帯の若者達を潰しにかかる嫌な大人達と、
現状を憂いながらも、もっと良くしていきたい!と反発する若者達の熱血ドラマ。
ヒップホップ誕生の裏側は、小説よりも奇な血沸き肉踊る若者達の叫びの物語でした。どっちが勝ったって?それはもう皆さんご存知ですよね 本日も最後までご覧いただきありがとうございました。コメントの書き込み、その他SNSでのシェアなどして頂けるととても嬉しいです!それではまた!
『ストレイト・アウタ・コンプトン』のファッション

今なお音楽界で大きな影響力を持つDr. Dre(ヘッドホンブランド、Beats by Dr. Dreが最近Apple社に買収されましたね)や、映画製作、俳優としも活躍もするラッパーIce Cubeなどが所属していたグループ、N.W.A。1986年にデビューを果たした、このヒップホップグループは色な意味で型破りでした。
『最も危険な時代が生み出した最も危険なやつら」の服装、気になりますねぇ。服の話をする前に簡単にヒップホップのおさらいをしておきます。
ヒップ・ホップ黎明期ーN.W.A.以前
【1970年代ヒップホップ誕生】
NYの貧困街でヒップホップ誕生。当時はディスコが大ブームでしたが、この貧困街に住むアフリカ系やヒスパニック系の若者達はディスコにいくお金がなく、街角でレコードを流してパーティーをしてました。
【ヒップホップの4大要素】
【DJ】レコードを二枚以上同時に操り、曲の間奏部分(break)だけを流すとパーティーに来る人達の反応が良くなることを発見したのが、break beatsの始まりで、ここにヒップホップのDJが誕生します。
【MC】DJが流すビートに合わせて韻(rhyme)を踏む詩(lyrics)を、時には即興で作り、ラップをするのがMC。語源はMaster of Ceremony(司会)。ざっくり言うとMC=ラッパーです。
【Break Dance】DJの流すbreak beat に合わせて踊り出した人達をb-boyと呼びます。blackでもbadでもないのでご注意ください。
【Graffiti】落書きです。もちろん違法な物も多くあります。しかし、イーゼルを立て、キャンバスの上に描くという西洋美術とは異なる背景から生まれたこのストリートアートは一部ではありますが今では正当な(そんな物があるのかも怪しいですが一応)アートとして認められています。(古くはバスキア、ヘリングが活躍し、現代ではバンクシーなどもいますね)
さて、上記の4つの要素が70年代からじわじわと文化として広がっていきました。ギャング達の血で血を洗う戦いを終わらせる代わりに、ラップのバトルやグラフィティによる縄張り争いに変わっていったという側面もあります。この頃はまだヒップホップはマイナーな音楽でしたが、多くの若者達のハートを掴んでいました。最初期ではないですが、ヒップホップがメジャーになったきっかけを作ったグループ、RUN DMCの服を見てみましょう。

Kangolのハットをかぶり、adidasのジャージを着て、superstarを(たまに紐なしで)履く。初期のヒップホップファッションは今多くの人がイメージするダボダボのファッションではなかったのです。stansmithの復刻、そしてsuper starの復刻があり、kangolではなくてもこのタイプのハットがここ数年メンズファッションで人気が出ているのも、元はここなんですね。これが1986年の写真。
ギャングスタ・ラップ、コンプトンからデビュー
この2年後、1988年に今回の映画の主役のN.W.A.達はデビューアルバムをリリースします。そのNWAの服装を見てみましょう。
不良ですね。彼らが育ったカリフォルニア州コンプトンは全米で最も治安が悪いと言われてた地域でした。麻薬の売人をやったり、ギャングが銃を持ち込んでスクールバスに乗り込んでくるような日本では考えられない環境の中、彼等は音楽を通して「クリーン」に成功者になろうとします。映画の中にも描かれていますが、ただ仲間同士でだべってるだけで、パトカーがやってきて、突然身体チェックをうけるなど、理不尽な出来事がたくさんありました。そんな彼らは「ギャングスタ・ヒップホップ」と呼ばれていました。さて、このギャングスタヒップホップの服の特徴を幾つかご紹介しましょう。
1)地元のスポーツチームのキャップやジャージを着る
ヒップホップは地元愛が強いのが特徴です。自分の育った街を代表する、という歌詞はラップの中によく出てきます。そしてスポーツの世界もヒップホップの世界と似たように、実力勝負で上の世界へと行ける。同じアフリカ系アメリカ人の多くが活躍しているスポーツと親近感を持ったのも頷けますね。
2)ダボダボファッション
ヒップホップと言えばダボダボな服装、というイメージがありますね。でもこれには諸説ありまして、
・お金のない親が子供の服を買うときに、大きくなっても着られるように、と大きいサイズを着せた
・ギャング達の仲間内での自分の「悪さ」を誇示するため、刑務所で履かされていたような、脱走しにくい極太のパンツを履く。
3)ゴールドアクセサリー
派手で、ギラギラしているとなお良いこのアクセサリーはヒップホップスラングでは、「bling-bling」と呼ばれてます。これも貧困層出身の若者達が、マイク一本でのし上がって(またはDJのスキル)成功したことを誇示するため、と言われています。
ヒップホップの今
いかがでしょうか?NWAデビュー以降は「ギャングスタ・ヒップホップ」が主流として1990年代前半から2000年代前半まで君臨します。そして今のヒップホップのトップに君臨するPharrellやKanye Westが出てくることで、ギャングスタ・ヒップホップが一つのジャンル、歴史的区切りとして認識されるようになります。(PharrellやKanyeは全然ギャングではないですし、歌詞も、服装も、そして何よりも「音」が全然違いますね)
長くなってしまいましたが、いかがでしたか?かつて、ロックが尖った若者達の音楽で文化であった時代から、今はヒップホップがある種の尖った新しい音楽・文化を発信している時代である、と見ると色々面白いかもしれませんね。最後にこんな画像でお別れを。http://blog.apparelzoo.com/evolution-of-hip-hop-culture/
12/19(土)公開『ストレイト・アウタ・コンプトン 』予告編
今作に登場するDr. DreはJimmy Ivoneと組み、Appleによる企業買収で史上最高額となったBeats by Dreを立ち上げたました。そこに行き着くまでのドラマがそのままポップ・カルチャーの歴史、数ページを占めるほどの面白さがあります。ヒップ・ホップ文化の持つ起業家精神とアメリカの音楽ビジネスとマーケティングについて学べるので、そのあたりに興味のある方はNetflix制作のドキュメンタリーも是非ご覧ください!
ちなみにヒップホップ誕生物語を描いた、『ゲット・ダウン』というNetflixドラマもあります。『ロミオとジュリエット』や『ムーラン・ルージュ』で有名なバズ・ラーマン監督のドラマです。michischili.hatenablog.com
本日も最後までご覧いただきありがとうございました。コメントの書き込み、その他SNSでのシェアなどして頂けるととても嬉しいです!それではまた!
【音楽2】D'Angeloと味覚と嗅覚と
2015年も今日からついに折り返し地点ですね。
今年の前半は家庭の事情などでバタバタしていていてブログをサボってしまっていましたが久しぶりに更新しましょう。
僕の好きなブラックミュージックです。
あのプリンスも絶賛しているD'Angeloです。
R&Bですが、ヒップホップでもあります。
ソウルでもあります。
とにかく気持ちいい音です。
今更感はありますが、2014年も終わりかける頃にアルバム、Black Messiahがでました。
あのD'Angeloが帰って来ました。
D'Angelo and the Vanguards名義ですが、約15年の沈黙を破り帰って来ました。
そこで3作を聴き比べて思いついたことを。
デビュー作。
とろっとろに甘〜い音楽。
美味しいアイスカフェラテです。
そして歴史的名盤と呼び声高い2作目。
牛乳のまろやかさを抜いた、より深〜い味がするエスプレッソです。
もちろんカップの底に乗った砂糖も食べるのを忘れずに。
僕はより中毒性のあるこの2枚目でディアンジェロにはまりました。
そして最新作は、甘さとまろやかさがありながらもスパイスのあるチャイティーです。
スタバで売ってる甘〜いチャイではなく、本家の、香ばしさと辛さのあるチャイに牛乳と砂糖を入れたような味です。
更にこの新作は政治的な意味も全2作より比べて強いのでそこもスパイスに例えられるかなーと。
飲み物に詳しい人は「エスプレッソに含まれるカフェインはアイスコーヒーより少ない」とおっしゃるかもしれませんが、まぁこれは一つの例えということで。
さて、そんなことを考えてたらお腹がすいてしまったので一旦離脱。
またお会いしましょう。





