映画とドラマとファッションと

ブログを初めて早6年。平成生まれ、米国育ちの映画オタク。元パリコレブランド勤務で今はマーケターやってます。

映画・ドラマ

ジョーカーが「ピエロ」な理由

突然ですが、革靴で全力疾走したことありますか?それもソールが革張りで硬いタイプのもので。今作では冒頭から主役のアーサーが革靴でガタガタと大きな足音をたてながら全力疾走します。主演のホアキン・フェニックスに何かが宿ってるようで、走る姿はどん…

『ゼロ・グラビティ』のキュアロン監督最新作。映画『ROMA/ローマ』

撮影も配信も最先端な映画『ROMA/ローマ』。観終わった後に、写真を撮りにこう!と創作意欲を掻き立てられました。あー、あの空が本当に美しい。キュアロンが今回もまたやってのけてくれました。 ローマの思い出 風景写真のような映像 『ROMA/ローマ』は撮影…

言葉は要らない!?音楽と映像で饒舌に語る『ベイビー・ドライバー』

台詞、ナレーション、その他の文字情報などの説明を使わず物を語れるというのは、 まさしく映画というメディアの特徴と言えるだろう。エドガー・ライトはそれを今作でやってのけた。 ベイビー・ドライバー (字幕版) 発売日: 2017/12/13 メディア: Prime Vide…

親戚のおじさん?演技があまりにもリアルな『ウィンストン・チャーチル』

魂が宿る物作り 物作りの歴史において、偉大な作品にはどこか「魂が宿った」かのように感じられることがある。作られたその「物」を前にすると、単なる紙と絵の具や、彫られた石などがあたかも魂があるかのように観る者を揺さぶる。美術館や博物館は、そんな…

アメリカ映画なのにアイリッシュ!?『スリービルボード』の耽美な世界

監督と脚本を手掛けたマーティン・マクドナーはアイルランド系イギリス人。アメリカ映画なのに随所にアイリッシュ要素と、耽美な要素が見られました。 夏の名残のバラと耽美なオープニング 映画冒頭の約3分、アメリカ合衆国ミズーリ州エビングの風景を写しな…

戦うオヤジとアメ車が魅力。激渋映画『グラン・トリノ』

車を買うなら72年のグラン・トリノが良い、と思ってしまう激渋でカッコいい映画。テーマは「父性と赦し」でしょうか。 グラン・トリノ (字幕版) 発売日: 2013/11/26 メディア: Prime Video この商品を含むブログ (5件) を見る 色彩より陰影が印象的な画作り…

『カメラを止めるな!』の監督・上田慎一郎は日本映画を救うか?

あー悔しい。本当に悔しいわ。良い映画を観ると、たまに悔しいと思う時がありますが今回もそのパターンでした。 曲がりなりにも物作りに少し携わっている自分ですが、この作品に並ぶレベルの物を作れてない。悔しい。 過去、自分が携わった自主制作の映画に…

星野源も憧れる才能、ドナルド・グローヴァーによるドラマ『アトランタ』

突然ですが、ドナルド・グローヴァーをご存知ですか? 今ポップカルチャーの中で最も勢いと人気のあるアメリカ人クリエイターのドナルド・グローヴァー。彼が主演・制作(一部では監督や脚本も)を手がけている大人気かつ超重要作のコメディ・ドラマ『アトラ…

サラリーマン必見!?『ゲーム・オブ・スローンズ』が描く理想のリーダー像

先週のエミー賞授賞式で再び存在感を示した海外ドラマの金字塔、『ゲーム・オブ・スローンズ』。自分が最も語りたかった内容を紹介させて頂きます。一言で言うとリーダーシップ、副題をつけるならば「理不尽な世の中で、お前はどう戦うのか」と言うところで…

『ゲーム・オブ・スローンズ』の圧倒的世界観!音楽・衣装・言語の作り込みが凄い

先週行われた、第70回エミー賞授賞式。そこで作品賞を始めとする9部門を制覇したドラマ、『ゲーム・オブ・スローンズ』についてご紹介をしております。第2回目の今回は『ゲーム・オブ・スローンズ』の圧倒的な世界観について解説します!世界観を作るのに欠…

『ゲーム・オブ・スローンズ』入門!登場人物3人の意外な共通点とは!?

史上最高、空前絶後、社会現象(残念ながら今は日本を除く)、ドラマ史、映像史に今後も燦然と輝くであろうドラマ、と言ったら大げさでしょうか。今回から3回に渡ってドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』をご紹介します。 3回にわたってこの壮大なドラマに…

極寒世界の渋いオヤジの戦い。カーハートが印象的な『ウィンド・リバー』

2018年日本公開ーテイラー・シェリダン監督 暑苦しい夏にぴったり、「恐ろしさ」なんて言葉では形容できない自然(この場合雪)を畏怖する気持ちになる隠れた名作。観れる劇場が少ないのが玉に瑕。 是非口コミで広まって欲しい。アヴェンジャーズで共演しなが…

世の中を良くするには遊ぶべし!『レディ・プレイヤー1』に込められたメッセージ

『レディ・プレイヤー1』は、『マトリックス』への回答なのでは?後編はボードリャール、シンディ・シャーマンといった批評・現代アートを経て『レディ・プレイヤー1』の魅力について考察。

遊びこそ救いだ!『マトリックス』から19年、仮想現実の可能性を描いた『レディ・プレイヤー1』

『レディ・プレイヤー1』は映画『マトリックス』への回答なのではないか?前編は『マトリックス』にみるレイジ・アゲンスト・ザ・マシーンや、とある本から影響を受けた煽りの思想について。

『ディファイアント・ワンズ』で学ぶヒップホップと起業家精神

Netflixで配信中の『ディファイアント・ワンズ』の解説第2弾。Appleが買収した事で話題となったBeatsの創業者2人のドキュメンタリー。実は2人ともBeats創業の前から音楽業界では大物でした。「ロック」畑のジミー・アイオヴォンと「ヒップホップ」畑のドクタ…

Appleを動かした2人の天才。音楽オタクが世界を回す『ディファイアント・ワンズ』

今回はNetflixで配信中の『ディファイアント・ワンズ』の解説。Appleが買収した事で話題となったBeatsの創業者2人のドキュメンタリー。実は2人ともBeats創業の前から音楽業界では大物でした。「ロック」畑のジミー・アイオヴォンと「ヒップホップ」畑のドク…

音楽だけじゃない!『ラ・ラ・ランド』は開襟シャツとスペクテイター・シューズも魅力的!

今回は映画『ラ・ラ・ランド』でライアン・ゴズリング演じるセブの服装を解説します。開襟シャツ、シャツの起源、スペクテイター・シューズについてご紹介。

音楽だけじゃない!色使いも魅力的、映画『ラ・ラランド』

ララランドの色使い 前代未聞のアカデミー賞での珍事や、ジャズミュージシャンやジャズ警察(?)と呼ばれる人達による「これはジャズか否か」論争などもあり、色々な意味で世の中を賑わせてくれているラ・ラ・ランド。2回に渡ってこの映画の衣装を解説します…

『たかが世界の終わり』

本日ご紹介する映画は、洋服度控え目になりますが、間違いなくファッション誌等でも取り上げられるであろう若き天才が撮った、おしゃれな大傑作です。 www.youtube.com グザビエ・ドラン監督ー2017年、2月公開。 今世界的にも最も勢いがあり、最新作が出る度…

『狂い咲きサンダーロード』とヴェトモン

今回の映画はこちらです。 狂い咲きサンダーロード 1980年公開。石井聰亙(いしいそうご)監督。 石井聰亙監督が、(今は改名して、石井岳龍になったみたいですね)学生時代の卒業制作として発表した映画です。 サンダーロード、という架空の都市が舞台。暴走…

戦う女性経営者。マリメッコの創業者はぶっ飛んでた!映画『ファブリックの女王』

映画『ファブリックの女王』で学ぶマリメッコ創業物語。フィンランド発のマリメッコは、プレタポルテの先駆けでもありました。創業者アルミ・ラティアのマーケティングの才能にも注目。

一流の映画は、衣装も一流だった。『8 1/2』で学ぶスーツスタイル

一流の映画は、衣装も(スーツの着こなしも)一流だった。体型にあったサイズ、細すぎずダボダボしすぎないシルエットに、黒縁メガネや、サングラスなどの最低限の小物。今ではお洒落なスーツスタイルに欠かせない上記の着こなしポイントも、ルーツを辿って…

ダサ・カッコイイ?黒スーツがイケてる『レザボア・ドッグズ』

今回は映画『レザボア・ドッグズ』の黒スーツと衣装について解説。ハーヴェイ・カイテルは劇中ではアニエス・ベーのスーツを着たようですが、その他のキャラクターは予算の都合上様々な工夫を凝らして統一感のある制服のように見せたようです。

ヒップ・ホップ誕生を描く、Netflixドラマ『ゲットダウン』

Netflixが製作ドラマ『ゲットダウン』の紹介。1970年代ニューヨークの団地から生まれたヒップホップ。そんなヒップホップ誕生物語と、ヒップホップ・ファッションには欠かせないスニーカーの話。

スーツも建築もお洒落!トム・フォードの『シングル・マン』

お洒落映画といえば、これ。ファッション雑誌ポ◯イの表紙にの載ったこの映画、実は建築もかっこいいんです。 シングルマン (字幕版) 発売日: 2013/11/26 メディア: Prime Video この商品を含むブログを見る トム・フォードって誰? トム・フォードとスーツ …

ズートスーツって何!?映画『マルコムX』で学ぶチンピラスーツ

【ズート・スーツ】太くて、長くて、派手。全てが極端なズート・スーツは1940年代にアメリカの黒人のミュージシャンや、マフィアなどの服装としてよく見られました。実は黒人解放指導者のマルコムXは、若い頃はズート・スーツを着るようなチンピラでした。映…

ポール・スミスも?今更聞けない、モッズって何?『さらば青春の光』

1960年代後半のイギリスの若者カルチャーとして後世に大きな影響を与えた「モッズ」。モッズについて知りたければ、この映画を観て、このブログを読めば完璧!

『マイ・インターン』とクラシック・ファッション

はじめに 紳士諸君、ハンカチを持ちましょう。 それも自分用のではなく、涙を流す女性のために。 と、臭い台詞から始まりましたが、今回紹介する映画は国内では女性向けにマーケティングされてるみたいですが、世の男性こそ見るべき映画です。

『ストレイト・アウタ・コンプトン』のファッション

1986年にデビューを果たしたアメリカのヒップホップグループ、N.W.A.の伝記映画。この映画とこのブログを読めばあなたもヒップホップ・ファッション・マスター!?

モードの帝王。映画『サン・ローラン』で学ぶファッション史

ファッション史に名を轟かせる巨人、イヴ・サンローラン。サンローランの死後、彼の人生を描いた映画はたくさん出ましたが、彼がファッション史(産業も)においてどんな功績を残したかが、とてもよくわかる点で、僕は今作をオススメします。 映画『サンロー…