サラリーマン必見!?『ゲーム・オブ・スローンズ』が描く理想のリーダー像
先週のエミー賞授賞式で再び存在感を示した海外ドラマの金字塔、『ゲーム・オブ・スローンズ』。自分が最も語りたかった内容を紹介させて頂きます。一言で言うとリーダーシップ、副題をつけるならば「理不尽な世の中で、お前はどう戦うのか」と言うところでしょうか。 裏テーマは、「押井守ならこのドラマをどう見るか」です。
3回にわたってこの壮大なドラマについて紹介してます。是非第1回から読んで頂けると嬉しいです。
・その1『ゲーム・オブ・スローンズ』入門!登場人物3人の意外な共通点とは!? - 【ブログ】マーケターが追うポップ・カルチャー最前線
・その2『ゲーム・オブ・スローンズ』の圧倒的世界観!音楽・衣装・言語の作り込みが凄い - 【ブログ】マーケターが追うポップ・カルチャー最前線
・その3サラリーマン必見!?『ゲーム・オブ・スローンズ』が描く理想のリーダー像 - 【ブログ】マーケターが追うポップ・カルチャー最前線
- 『ゲーム・オブ・スローンズ』にみるリーダーシップ
- 現場派の誠実リーダー/ジョン・スノウ
- 強烈なカリスマ性で人々を率いるリーダー/ディナーリス
- 不遇の秀才、リーダーを支える参謀タイプ/ティリオン
- 仕事をしている社会人こそ共感できる
- 推しキャラ、ブロン
『ゲーム・オブ・スローンズ』にみるリーダーシップ
『ゲーム・オブ・スローンズ』は群像劇と言う、登場人物がとても多く、主人公がわかりにくいスタイルと言うのが特徴です。 様々な身分、民族、性別、職種のキャラクターの背景を描き、彼ら彼女らが時にはぶつかり、時には結ばれ、時には裏切ったりしていく日本の昼ドラもびっくり、ドロドロで過激な描写が多いです。しかもそれが王国の存亡、ドラゴン、蘇る白い死者といったファンタジー要素も加わった壮大なスケールで語られています。これだけの乱世の中、登場人物達はそれぞれの理想や、欲望を元に生き残る為の熾烈な争いに身を投じます。当然、どの組織に属して誰に従うかという現代で言えばマネジメントのヒントになるテーマが繰り返し繰り返し登場します。
そこで出るのが、今回の副題「理不尽な世の中で、お前はどう戦うのか」です。ひとまずは様々なタイプのリーダーをご紹介しましょう。
現場派の誠実リーダー/ジョン・スノウ
例えば、ジョン・スノウ。
ジョン・スノウやスターク家の人は、総じて誠実な人柄で人望が厚いタイプとして描かれます。自身も戦線に立ち、味方を守る為に体を張るタイプなので、現場からの信頼は絶大。一方で政治的な駆け引きは苦手です。ワル知恵が働くタイプの人にすぐ利用されたり騙されるタイプです。女性関係でも彼の不器用さが描かれています。世渡りは正直いって下手ですが、名誉や仁義というものを重んじる彼は軍人達にとっては頼れる存在です。
強烈なカリスマ性で人々を率いるリーダー/ディナーリス
ディナーリスの物語は王座を奪還しようとする兄に政略結婚の為、騎馬民族に嫁がされるという所から始まります。しかし、彼女はただの政治の駒として利用される事に疑問を持ち、自ら運命の道を切り開き始めます。政治・軍事と言った男が力で支配する世界に、小柄な若い女性が立ち向かいます。窮地に立った時でも怯まない、絶大な自信からくる大胆な行動が周りの人を惹きつけ、彼女に従いたい者が後を絶たないタイプのリーダー。「私が女王になって民を救う」という理想が行動原理となっています。
不遇の秀才、リーダーを支える参謀タイプ/ティリオン
最も金持ちな家系に生まれながらも、父からも、姉からも忌み嫌われる不遇の小人ティリオンの場合はどうでしょう。
知性派のキャラクター、ティリオンは参謀的なポジションとしてはずば抜けた能力を発揮します。ただし、小人である事や遊びずきな事がマイナスに作用してしまうこともしばしば。セルフ・プロデュースは意外と下手な為、なかなか本領を発揮できません。そういった応援したくなる部分も視聴者からの人気につながっているようですね。ちなみに彼は「世の中が良くなる為には?」といった真っ当な事が行動原理になっています。
仕事をしている社会人こそ共感できる
『ゲーム・オブ・スローンズ』には嫌な人もたくさんいます。俺が王だ!俺は○○家の者だ!としきりに言う奴がいたり、ただひたすら個人プレーで自己保身に走る人、他人の足を引っ張ることしか考えない人等。 誰に仕えるのかだけでも生死に関わってしまう世界、魑魅魍魎、阿鼻叫喚とはまさに『ゲーム・オブ・スローンズ』のことだったのか、と思いますね。「理不尽な世の中で、お前はどう戦うのか」というのは登場人物全員に繰り返し問われます。『ゲーム・オブ・スローンズ』の世界は極端ですが、仕事を始めると1度や2度は考える事でもあるよなーと思います。
推しキャラ、ブロン
以上を踏まえての個人的な推しキャラは、ブロンという地味なおっさん。
左)ブロン 右)ティリオン
いや、他にもカッコイイおっさんはいっぱいいます。でも、今回のリーダーシップ編、または「理不尽な世の中で、お前はどう戦うのか」という切り口で見るとブロンが最も世渡り上手なキャラクターである、という事がわかると思います。王族や貴族がゴロゴロ登場する世界で、ブロンは傭兵として登場。ティリオンとタッグを組む事になりますが、武人として出世をします。
ブロンの魅力は、常にユーモアを持っているところ。ただの皮肉屋ではなく、仲間達が深刻な事態に陥ってもクスっと笑って我に帰るような雰囲気を作れる、そういうおっさんです。常に現実思考で、飄々としているようで実は情もある。彼こそ「理不尽な世の中で、お前はどう戦うのか」というのが明確にわかっていますね。
さて、3回に渡ってご紹介した『ゲーム・オブ・スローンズ』。ここまで読んで頂いた方はもう観たくてうずうずですよね。HuluかAmazon Primeで観れます。来年公開のシーズン8でついに完結してしまうこの超大作。今からシーズン1を見始めれば間に合います!この壮大な物語をぜひご堪能ください!
余談ですが、押井守が好きな人はこのドラマ絶対楽しめると思うんですよね。
この本なんかまさに今回の記事を書くときに参考になりました。
ちなみにその1と、michischili.hatenablog.comその2もぜひ!
本日も最後までご覧いただきありがとうございました。コメントの書き込み、その他SNSでのシェアなどして頂けるととても嬉しいです!それではまた!