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平成生まれ、米国育ち。面白い奴は大体友達。美術史専攻→洋服屋/ポップカルチャー/ ファッション、音楽、映画(たまに建築)

The Getdown『ゲットダウン』とスニーカー

はじめに 

今回は、Netflixが製作したヒップホップ誕生の物語を描くドラマ、『ゲットダウン』を紹介します。 『ゲットダウン』バズ・ラーマン製作総指揮。2016年8月公開。 

 

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ブロンクス生まれ、プーマ育ち 

 

舞台は1977年ニューヨーク、ブロンクス

当時は街中には貧困が蔓延り、若者は犯罪に走り、売人は薬で儲かる。

今のニューヨークからは想像できないような巨大なスラムだったそうです。

主人公はアフリカ系とヒスパニック系(プエルトリコみたいです)のハーフの少年、エゼキエル。

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ブロッコリーのようなアフロがいい味出してますね。
 
 
当時、ニューヨークは貧困層と富裕層の住むエリアがはっきりと分かれていました。
そして貧困層が住む地域、ブロンクスからヒップホップは誕生するのです。
 
 
さて、今回の服装ですがこちらをご覧下さい。
 

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彼はエゼキエルにヒップホップを教えてくれるシャオリンというニックネームの青年です。
赤のプーマを履いてますね。プーマのクラシックスエードというモデルです。
 

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70年代当時は、ディスコブーム全盛期。
エゼキエルも、ディスコクラブに入ろうとするために、友達のお父さんの服を借りるシーンが描かれます。
 
 
お金のある大人達がクラブのなかで踊っていた裏で、
クラブに入れず、お金もない若者達は路上で新しい音楽や踊りを生み出していました。
そしてもちろん、この動きはファッションとも切り離せません。
 

初期ヒップホップとスニーカー

 
このドラマで描かれているヒップホップ黎明期の数年後、
服と映画4でも紹介したRUN-DMCというグループがデビューし、
ヒップホップが全米に知れ渡る大きなきっかけを作ります。
 

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1986年の画像ですね。
 
 
さて、ドラマは77年から数年間(第2シーズンでどれくらい進むかにもよりますが)を描いてますが、少し先に進んでみましょう。
 
RUN-DMCによって一気にメジャーな音楽の仲間入りを果たしたヒップホップですが、
当時はまだまだアフリカ系、またはヒスパニック系の文化というイメージが強かったです。
 
そんなイメージをこのグループが壊します。
 

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1992年に発売された彼らのアルバム、Check Your Headのために撮られた写真。
 

プーマとアディダスですね。

このように、ヒップホップ初期(ビースティー・ボーイズもここでは一応初期とします)の服装としては、ローテクなスニーカーを履く人がほとんどでした。

しかし、のちに90年代から〜2000年程までは、ヒップホップの中心地が東海岸(ニューヨーク)から西海岸(カリフォルニア)に移り、ギャングスタ・ラップというタイプのヒップホップが流行り、服装の流行りにも変化が訪れます。

 

The Getdownで描かれる最初期ヒップホップからBeastie Boysの流れ
→ローテクなスニーカー中心

 
NWAデビュー以降、映画ストレイト・アウタ・コンプトンで描かれるギャングスタ・ヒップホップ以降

→Timberlandなどのブーツや、Nikeエアフォースワンなど、ボリュームのある靴が流行ります。

『ゲットダウン』の魅力とは?

 
さて、ドラマに話を戻しましょう。
主人公エゼキエルは、幼い時に親を亡くし、親戚に育ててもらっています。
読書家で、教養もあり、学校の先生からも、作文の才能を認められたエゼキエル。
しかし、自分の生い立ちのせいか自分に自信がなく、才能を活かしきれない。
 
有能な学生のためのインターンの話が来ても、「どうせ金持ちの白人様の言いなりになるだけだ」、と友達に言われ決断できずにいる。
 
そんな時に出会うのが、赤いプーマを履いたシャオリンなのです。
 
そして、エゼキエルと仲間達はこの全く新しい、産声をあげたばかりの文化(遊び:はい、文化とは一言でいうと遊びです)にのめり込み、ラップの才能が開花する。(リズムに合わせて韻をふむのですが、思った以上に難しいんです!その難しさも描かれてます)
 

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また、エゼキエルの幼馴染みであり、片思い(?)の相手がクラスメートのマイリーン。
 
 

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彼女はキリスト教の牧師を父に持ち、教会で聖歌を歌っていますが、ディスコ・スターになり、この貧困の街から出たいという夢を持っています。しかし、厳格なペンテコステ派の牧師の父からは、ディスコは悪魔の音楽だ、と断固反対されます。ディスコ音楽と教会音楽という部分もきちんと描いているのはとても勉強になります。アメリカのミュージシャンで聖歌隊出身の人は非常に多い点から、その背景を観れるのは日本に住む僕たちにとってはとても新鮮だと思います。

 

誰もが、エゼキエルの教養の深さを評価しているにも関わらず、彼は才能を活かしきれない。

誰もが、マイリーンの歌声を評価しているにも関わらず、父がその才能を使わせてくれない。 

この才能のある若者二人は時代の波にのまれてしまうのでしょうか? 

 

このドラマ、ヒップホップ誕生物語でもありますが、若者の青春ドラマでもあり、弱者が夢を掴みとろうとするアメリカンドリームも描いてます。服の話からずれてしまいますが、ヒップホップ誕生と切ってもきれないグラフィティ(落書き)の文化もリアルに描いています。この夏公開されてからは、アメリカで大ヒットしたみたいですが、日本でも同じ公開時期に観れるのはいいですね。僕も寝る間を惜しんで一気見してしまいました。 

 

今回はスニーカーを中心に解説しまたしが、いかがでしたでしょうか?ちなみに未だにヒップホップとスニーカー(ファッション)の関係は切っても切り離せず、最近ではKanye WestAdidasと共同でプロデュースしているyeezyというスニーカーが人気だったりします。


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無法地帯の若者達を潰しにかかる嫌な大人達と、
現状を憂いながらも、もっと良くしていきたい!と反発する若者達の熱血ドラマ。
ヒップホップ誕生の裏側は、小説よりも奇な血沸き肉踊る若者達の叫びの物語でした。
 
 
どっちが勝ったって?それはもう皆さんご存知ですよね。
 
それではまた、Peace!