映画とドラマとファッションと

ブログを初めて早6年。平成生まれ、米国育ちの映画オタク。元パリコレブランド勤務で今はマーケターやってます。

【映画33】ムーンライズ・キングダム〜ウェス・アンダーソンとクールベ〜

 

【あらすじ】

1960年代、まだテレビが本格的に普及してなく、音楽を聞くのもレコードが主流だった時代の小さな島。

 


『ムーンライズ・キングダム』予告編 - YouTube

 

この島に住む小太り眼鏡少年のサムは嫌われ者だった。孤児なので里親と過ごしていたが、ボーイスカウトのキャンプに預けられてしまう。ボーイスカウトには大人が一人だけいたが、なよなよしく、あまり頼りにならない。サムはこの環境でも周りの少年となじめずにいた。 

 

地元の教会でノアの箱船を題材にした演劇が行われていた。サムは客席にいたはずが、席を立ち、勝手に楽屋に忍び込む。そこでカラスを演じていたスージーに出会い一目惚れする。彼女もサム同様、「カラス」という嫌われ者であった。

 

 

スージーは頼りない父親、島で唯一の警官と不倫をする母親、そして三つ子のような弟3人の大家族でくらしていた。元々ギクシャクしていた家族だったが、「問題児の扱い方」のような本を親が持っていたのを発見してからスージーと家族の溝は一気に深まる。

 

そんな嫌われ者同士のサムとスージーが文通を交わし、駆け落ちの計画をたてる。窮屈で、退屈で、頼りない大人の世界から逃げ出そう。記録的な嵐が迫っていることもいざ知らず 小さな島で、小さな大人二人による大きな冒険が始まる。

大人でもない、子供でもない微妙な年頃の人の心の揺らぎを描く傑作。

 

 

【感想】

グランドブダペストホテルではまったウェス・アンダーソンの映画。アンダーソンらしい、紙芝居のような演出から物語が始まる。

 

この人はドーリー撮影(レールの上をカメラが動きがら撮影する方法。ズームとは違って、実際に人間の体が動いて視点が変わる感覚に近い)が多く、それがファンタジーの世界へ引き込むのに一役買っている。

 

全体としてはダークグレーと茶色の色彩の印象が強い画だった。

寂れた島の、寂れた社会と、長い冬に向けて褐色の葉を落とし、天然のカーペットを作る島の自然がとても綺麗に描写されていた。

 

この画がベースにあって、さらに思春期の少年少女の恋愛を描いていて、この二人の不器用なキャラクターがまたよい。

声変わりもしていないのに、気持ちだけは一人前のサム。見た目とは裏腹にアウトドアのスキルはボーイスカウトの中でも一番。

読書が好きで長女らしくそれなりにしっかりしているスージー。ただし、大人になろうとしているのが裏目にでて、歳不相応なエメラルドのアイラインを引いて完全に失敗してしまっている。

 

そしてこの二人の周りにいるはずの「大人」は皆、情けなく、頼りない。

ただし、その演出がまたよい。

 

大人も子供もこの島の住民は皆どこかに問題を抱えている。

そしてその誰もが抱える問題、もしくは不器用な部分はとてもフィクションとは思えないようなリアリティがある。人間の不器用な部分を丁寧に描くからこそ、キャラクター全員が生き生きとしている。「こういう奴、いるいる」というキャラクターが一人や二人はいると思う。 

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名もなき人々の日常を描いたクールベの絵画に似ている。

【映画31】グランド・ブダペストホテル〜語らぬカリスマと聖☆お兄さん〜


映画『グランド・ブダペスト・ホテル』予告編 - YouTube

 

【あらすじ】

 かつてのズブロッカ共和国には、大金持ちの老女達がこぞって贔屓にしていた豪華ホテルの名コンシェルジュがいた。名はグスタフ・H。

そんな彼の元で新しくロビーボーイとして働くことになった少年ゼロ。童顔な少年ゼロは毎朝ペンでチョビひげを描きグスタフ・Hの指導の元、大人の世界へと足を踏み入れる。

 

ある時グスタフ・Hのことを気に入って仕方がない超大金持ちの未亡人、マダムDが何者かによって暗殺される。そして容疑の目はグスタフに向けられるが、マダムDの遺族には莫大な遺産を巡って様々な策略を練る者もいた。

 

グスタフ・Hのスノッブながらも親近感を持ってしまうキャラクターは一度スクリーンに出てからは忘れられない名キャラクター。また少年ゼロのひたむきに働き、どんどんグスタフの信頼を得て行く姿はどこか未熟な自分と重なりながらも、応援をしたくなる。

 

この二人のコンビが、遺産、ナチス、そして淡いピンク色の恋模様などの様々な出来事を通して友情を越えた実の親子愛のような関係になっていく。

 

 

【感想】

幻とわかっていながらも、全力で生きる人達によって淡いピンク色に輝いていた名門、グランド・ブダペストホテル。

誰もが憧れるこのホテルは西欧諸国が力をつけ始め衰退に向かっていた中欧の最後の輝きを象徴する気がする。

 

そして実体の無い幻は無数の語り手によって作られるように、この話はグスタフ本人が語っていないのが面白い。グスタフの元にいた老後のゼロが過去を振り返りながら語り、それを聞いていた小説家が本にして、現代に生きる少女が本として読む。

マニフェストを明文化せず、本人の死後に周りの人間が語るとはまさに聖・グスタフお兄さん?

 

 

小道具一つ、カット一つ、そして紙芝居のような人形劇のようなこだわりの演出と先が読めない話の展開が見事にマッチする感じは同じ中欧のモーツァルトの音楽のような人懐っこさがある気がする。間違ってもベートーベンのようなガンガンと訴えて煽動するような音楽ではなくて、首尾一貫エンターテイメントに徹しているのが逆に潔くて新鮮だった。ノスタルジーに浸れてほっこりするけれど、見終わったあとはアクション映画を見たような爽快さもあっていい意味でサバサバしてて良かった。

 

初のウェス・アンダーソンの映画だったけど、この監督かなり気に入りました。

あのスイーツ、食べてみたい。

【映画30】ぼくの伯父さん

1958年公開、監督兼主演はジャック・タチ

 


Mon Oncle (1958) - trailer - YouTube

 

お金持ちのアルベル家の一人っ子ジェラールは退屈していた。

「モダン」な家に住み、外であまり遊べず、勉強をしてお行儀よくすることを強いられる。

そんなジェラールは唯一心を許せる人として、ユロ伯父さんがいた。

 

このユロ伯父さんはドジで何をやっても失敗してしまうけど、なぜか憎めない。

そしてなぜかかわいい鳥や野良犬に好かれる、変わり者として描かれてる。

ユロ叔父さんはほとんど言葉を発っしないのでより伯父さんが面白い人に見える。

ジャック・タチはパントマイムを小さい頃からやっていた)

 

 

 

 

空調完備、自動ドア、真っ白な壁に、イームズなどの家具に囲まれたアルベル家とは対照的に、ユロ伯父さんが住む家は下町の生活感あふれる地区の古アパートの最上階。

ジャック・タチはおしゃれに「モダン」な生活を批判してる気がする。

でもそれは否定ではなくて「モダン」な生活から失われがちなものにスポットライトを当ててる。一言で言うと子供心、または遊び心、かな? 

 

 

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あまりファッション誌とか「カルチャー」誌では見たことないけど、このユロ伯父さんの服の着こなしはシックな着こなしとしてお手本になると思う。

半端丈のパンツ、スエードの靴、ステッキの変わりに傘を持って歩く感じは秀逸。

 

 

ゆるーい空気の中にクスっと笑える場面がたくさん。

懐かしさがある音楽も素晴らしいです。

ミスター・ビーンを演じたローワン・アトキンソンにも大きな影響を与え、

本人は公言していないけど北野武も影響受けてます。

 

古いのに、今みても新しい素敵な映画です。

 

 

【映画29】アラビアのロレンス

アラビアのロレンスは1961年公開の映画。監督はデビッド・リーン。

 

 

第一次世界大戦で実際におこった、アラブの反乱を元に作られた映画。

当時はオスマントルコ帝国がドイツと手を組んでいて、イギリスやフランスなどが対抗。その中でイギリスは中東での覇権を広める為に、オスマン帝国に支配されていたアラブ諸民族を支援し、独立(オスマン帝国に対しての反乱、もしくは革命)をさせようとしていた。

今でも収まる気配の無い中東の紛争の原因の一つとなったこの事件の中心人物の一人、T.E. Lawerenceが書いた自伝「知恵の七柱」などを元に作られてる。

 

ロレンスはイギリスの軍人でありながら、数カ国語に堪能でコーランをはじめとするアラブ文化にも精通していた。そんな人間がアラブの部族をまとめアラブの解放?を手助けするという話。

 

 

約3時間もあるこの映画はほとんどが砂漠をさまようシーン。地平線とそこに沈む太陽、夜になると見える広大な空、全ての生命を否定するかのような灼熱の日中などととにかくこの砂漠の描写に力が入っている。

 

この映画では雄大な砂漠の描写と対をなすように描かれるロレンスの心理がまた凄まじい。英雄のような人物でありながら、はっきり言ってしまえば人格が崩壊しているロレンス。そのロレンスの心の揺らぎは砂漠に見える蜃気楼の揺らぎと重なる。

 

この映画は同性愛的描写があるけど、公開当時の点に気づいた人はあまりいなかったみたい。当時はそれほど認知されていなかったからなのかな。映画評論家の町山智浩は時限爆弾という表現をしているけど、名作には時を越えて初めて理解される部分があるんだなーと感銘を受けた。

 

 

 

【映画28】Midnight in Paris

 2011年公開、ウディ・アレンによるパリに行きたくなる映画

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主人公・ギル(オーウェン・ウィルソン)は映画のシナリオライター

婚約者とパリに旅行に来ているが、どうも二人のやりたいことが噛み合ない。

 

 

ロマンチストのギルは雨の中のパリがもっとも美しいと考え、自信初の小説を書くためにパリに移住したいと考える。

一方婚約者は、ショッピング、美術鑑賞、ワインの試飲など表面的にしかパリを楽しんでいるようにしか見えない。そんな中、ギルは大きなあこがれを持っていた1920年代のパリにタイムスリップしてしまう。

 

1920年代はヘミングウェイフィッツジェラルドコクトーピカソマティス、ダリなどと言った芸術家や小説家などがたくさん集まっていてパリが輝いていた時代と言われている。

 


Sidney Bechet - Si tu vois ma mère - YouTube

 

街並の映像での捉え方、ちょっとノスタルジックな音楽、登場する過去の偉人達との会話などいろいろな面で楽しめる映画。ありそうでなかった設定で描くパリ讃歌。夜に見るとより楽しいかも。(本作はアカデミー賞脚本賞を受賞)

 

 

【建築6】Toilets for all

普段僕は表参道で働いています。

正確にはもう少し根津美術館よりの南青山エリアになります。 Usually I work in Omotesando-Aoyama area.

 

 

このあたりは近年ラグジュアリーブランドの大型店舗や、アップルパイの店や、カフェ、雑貨屋、そしてリンゴマークの大きな店舗など再開発がどんどん進められている東京有数の観光スポットでもあります。 This area is one of the most famous tourist spot. There are boutiques of luxury brands, apple pie stores, coffee shops, and also a new store of Apple opening soon.

 

国内外から多くの人が押し寄せてくるのですが、

このエリアには公衆トイレがありません。多くの場合、高級ブティックでトイレを借りることになります。

Though there are many people visiting this area, there are not much restrooms for the public. Most of the time you would have to use the restroom of the luxury boutiques.

 

そこで思いつき。

So I have an idea.

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http://www.designboom.com/architecture/sou-fujimotos-public-toilet-in-ichihara-is-a-garden-escape-10-29-2013/

 

これは建築家、藤本壮介が作った世界一大きいトイレです。

ここまで大きなトイレではなくてもいいので、ちょこっとモニュメンタルでありながら周囲にとけ込むようなトイレを青山、表参道エリアに作ってもいいんじゃないかな?

 

This is a restroom designed by a Japanese architect , Sou Fujimoto. Why not make a restroom that could be monumental like this in the Omotesando-Aoyama area? It doesn't have to be this big but a site specific restroom would be interesting.

公衆トイレにネーミングライツとかするのもいいけど、せっかくだから土地に根ざしたようなトイレがあってもいいかなと思いました。TOTOさんとかLIXILさん、どうでしょう?

Naming rights could be sold for a public restroom but how about a restroom that could be tourist spot? what do you think, TOTO or LIXIL?

 

 

【建築5】Tokyo 2.0

久しぶりの更新になりました。

 

 

地形を楽しむ東京「暗渠」散歩

地形を楽しむ東京「暗渠」散歩

 

 

東京の暗渠について書いている本を見つけてしまい、心が折れそうになりました。

が、丸い心を持てば折れない!

 

 

と思っていた矢先に新たなネタを発見。

 

TEDxEastSalon - Bjarke Ingels - Hedonistic ...

 

 

オランダの天才建築家レム・コールハスの事務所出身の

これまた天才建築家(都市計画家?)ビャルケ・インゲルス。

 

ここで紹介されてる港での海水浴場ってかなりイケテルんじゃないかな?

 東京でやってみようよ!オリンピック開催前のイベントとして!

 

だって、

ロンドン、パリ、ベルリン、ローマ、マドリッドワシントンD.C.、北京、ソウルには海が無いんです。

でも日本の首都東京には海がある!

 

http://www.huffingtonpost.jp/ichiya-nakamura/post_7203_b_5039969.html

 

と、この竹芝再開発プロジェクトの方がおっしゃってますが、正直あのエリアにまた箱としてのビルをたててその中でデジタルコンテンツ云々とやって人は集まるのかな、、海としてのポテンシャルはどう生かすのかな? 

 

いっそ単発で終わるイベントとかではなくて、中長期的なプロジェクトとして水質改善と観光という2本の軸で進められないかなと脳内妄想。

 

久々の更新でちょっと疲れたのでつづきと英語はまた今度。

【The Lost Rivers of Tokyo3】桃園川緑道中野区編 Toen-gawa roykudo Nakano ward

 

 

 

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The Nakano-ward office.

中野区役所

 

 

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A Japanese house renovated as a cafe.

民家をカフェとしてリノベーションしてます。

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Since it is raining today, and the water level of the sewer is shown here. 

今日は雨なので、下水の水位が示されています。

 

 

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Gradually going down hill.

緩やかに下ってます。

 

 

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The Ryokudo ends here, and flows into the Kanda River.

ここで緑道は終わって、神田川と合流します。

 

【The Lost Rivers of Tokyo3】桃園川緑道 杉並区編 Toen-gawa ryokudo Suginami Ward

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The journey starts here...ここから物語が始まる。

 

 

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More precisely, it starts here. 正確にはここから始まる。

 

 

 

 

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I am welcomed by a choir of frogs.蛙の合唱隊に出迎えられました。

 

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The park light of Suginami Ward does not have serial numbers. 杉並区の公園灯は管理番号がついて無いです。

 

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Yes there still is water flowing down here. The manhole seems to be in control of Tokyo sewers.ここには今も水が流れています。東京下水道の管轄のようですね。

 

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A monument for....何かの記念碑

 

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Sagawa delivery service.佐川急便

 

 

 

f:id:michischili:20140224171917j:plainThe arcade of Koenji.高円寺の商店街

 

 

 

 

 

 

 

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The river flows into the 7th belt line. 環状7号線にぶつかります。

 

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The other side of the belt line.環七の向こう側。

 

 

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That is where I was. あそこにいました。

 

 

 

 

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Nice grocery store.いい八百屋。

 

 

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 These inorganice poles are the gate to the Nakano ward. The river flows on....

この無機質なポールが中野区への門です。川はこの先も流れていきます。

 

【映画27】ハスラー

勝負師、という意味です。

悪く言えば、ギャンブルではったりかまして大金を巻き上げる勝負師。でしょうか。

 

 

この映画ではビリヤードの勝負師として開花して行く若者(ポール・ニューマン)と、

その若者のプロデュースとマネージメントを買って出るショーンペン似のおじさん

(ジョージ・スコット)が主役です。この二人の演技が素晴らしくて頭から離れません。

 

なぜこの二人の演技が頭から離れないかというと、この映画はただのビリヤードの映画ではなくて、

「勝つとはなにか」「負けるとはなにか」「愛とは」「自由とは」などと言ったかなりでかい話が映画の土台にあって見ていて文字通り「命をかけて」「勝つ」ことを描いているんです。演技の凄みが伝わってきて背筋がのびるんです。本当に。

 

コンセプトがしっかりしてるから脚本も本当に無駄がなくて丁度いい。

「お前の言う愛とは束縛のことか?」と言っているものの本当の愛に気づかなかったことが後半で明かされたり、「お前は負け犬だ。」と言われて本当にずるずる負け始める。

 

さらに黙っていてもそれだけで絵になる演技、それができる俳優がいてこそ無駄のない脚本が際立つ。そしてこの映画でのポールニューマンとジョージスコットは黙っているだけでも絵になるんです。ポールニューマンの人を食うかのような睨みはただ攻撃的なのではなくてなんか吸い込まれるような力があるんです。

 

下手な自己啓発本とか読むくらいならこの映画を100円で借りてきて、「まぁ映画は娯楽でしょ」と軽ーい気持ちで見始めていただきたい。僕もそう思いながら見始めたら度肝を抜かれました。いやはや、いい映画ですね。