【映画30】ぼくの伯父さん
1958年公開、監督兼主演はジャック・タチ。
Mon Oncle (1958) - trailer - YouTube
お金持ちのアルベル家の一人っ子ジェラールは退屈していた。
「モダン」な家に住み、外であまり遊べず、勉強をしてお行儀よくすることを強いられる。
そんなジェラールは唯一心を許せる人として、ユロ伯父さんがいた。
このユロ伯父さんはドジで何をやっても失敗してしまうけど、なぜか憎めない。
そしてなぜかかわいい鳥や野良犬に好かれる、変わり者として描かれてる。
ユロ叔父さんはほとんど言葉を発っしないのでより伯父さんが面白い人に見える。
(ジャック・タチはパントマイムを小さい頃からやっていた)
空調完備、自動ドア、真っ白な壁に、イームズなどの家具に囲まれたアルベル家とは対照的に、ユロ伯父さんが住む家は下町の生活感あふれる地区の古アパートの最上階。
ジャック・タチはおしゃれに「モダン」な生活を批判してる気がする。
でもそれは否定ではなくて「モダン」な生活から失われがちなものにスポットライトを当ててる。一言で言うと子供心、または遊び心、かな?
あまりファッション誌とか「カルチャー」誌では見たことないけど、このユロ伯父さんの服の着こなしはシックな着こなしとしてお手本になると思う。
半端丈のパンツ、スエードの靴、ステッキの変わりに傘を持って歩く感じは秀逸。
ゆるーい空気の中にクスっと笑える場面がたくさん。
懐かしさがある音楽も素晴らしいです。
ミスター・ビーンを演じたローワン・アトキンソンにも大きな影響を与え、
本人は公言していないけど北野武も影響受けてます。
古いのに、今みても新しい素敵な映画です。