映画とドラマとファッションと

ブログを初めて早6年。平成生まれ、米国育ちの映画オタク。元パリコレブランド勤務で今はマーケターやってます。

【映画】2014年に見た映画

映画レビューをちょくちょくしてるこのブログですが、

自分用のメモも兼ねて今年見た映画(新作、旧作含む)をリストアップして1年を振り返りたいと思います。

尚、映画の並び順には意味はありません。

 

 

 

1天国の門

2ディアハンター

3海の上のピアニスト

4合衆国最後の日

5ニューシネマパラダイス

6ランブルフィッシュ

7イヤーオブザドラゴン

8レッドクリフ

9トランス

10地獄の黙示録

11ハスラー2

12時計仕掛けのオレンジ

13シャイニング

14グッドフェローズ

15マネーボール

16カポーティ

17シティオブゴッド

18ソラリス

19レイジングブル

20地獄でなぜ悪い

21プレイタイム

22僕の叔父さん

23グランドイリュージョン

24都会のアリス

25ナイト・オンザ・プラネット

26リミッツ・オブ・コントロール

27ライフ・イズ・ビューティフル

28グリーン・フィンガーズ

29ミッドナイト・イン・パリ

30ローマでアモーレ

31ポルトガル、ここに誕生す

32アラビアのロレンス

33ル・アーヴルの靴磨き

34ムーンライズ・キングダム

35ダージリン急行

36うる星やつら2 ビューティフルドリーマー

37ザ・ロイヤル・テネンバウズ

38灼熱の魂

39ライフ・アクアティック

40天使にラブソングを

41天使にラブソングを

42ゴースト・バスターズ

43華氏451

44大列車強盗団

45ピアノ・レッスン

46グッド・モーニング・ベトナム

47ミセス・ダウト

48ガープの世界

49インドへの道

50レナードの朝

51シャネル&ストラヴィンスキー

52コンタクト

53ダラス・バイヤーズクラブ

54フォロウィング

55スローターハウス5

56レニングラードカウボーイズ・ゴーアメリカ

57インターステラー

58アナと雪の女王

59マレフィセント

60ドン・ヘミングウェイ

61ゴジラ

62オール・ユー・ニード・イズ・キル

63グランド・ブダペスト・ホテル

64それでも夜は明ける

65ハング・オーバー!消えた花婿

66クロニクル

67裏切りのサーカス

68ベルリン天使の詩

69レスラー

70サウンドオブミュージック

71ハングオーバー

 

 

 

 

監督別では今年はウェスアンダーソン作品を1番多く見た1年だった。そして彼の新作のグランドブダペストホテルは自分の映画ランクのかなり上位に入る。

 

ウェス・アンダーソンから派生して、ラブコメウディ・アレン、緩くて、でもなんか洒落てるジム・ジャームッシュフィンランドを代表する人間愛溢れるアキ・カウリスマキも見て、そしてフランスのチャップリンことジャック・タチも数本見た1年だった。

 

緩い系統以外だと、

マイケル・チミノはディアハンターの素晴らしさからその後のハリウッド全体を巻き込む波瀾万丈の監督人生、

やっと見れたフランシス・フォード・コッポラ地獄の黙示録はもう評判通りの映像と音楽そしてキャラが立っていて、

ドゥニ・ヴィルヌーヴの灼熱の魂は恐らく衝撃度では人生トップクラスだった。

 

 

ロビンウィリアムズの死去に伴って、未見だった彼の映画を見て1人で追悼会を開き、

 

インターステラー、ライフイズビューティフル、そしてニューシネマパラダイスあたりは文句無しの傑作として万人にお勧めできる良作だったと思います。後はルーカスやスピルバーグに影響を与えたイギリス人監督デビッド・リーンによるアラビアのロレンスは歴史好きにも、映画好きにもオススメできる濃く、深い、映画の教科書の様な傑作でした。

 

こうやって振り返ると結構いいもの見れた1年でした。

来年はもう少し邦画も観れるかな、と思いつつ完全にフィーリングに任せて見てるのでどのタイミングで何を見るかは来年のお楽しみにですね。

 

取り敢えずゴーンガールは映画館で早めに見ておきたいな。

 

今年もブログを読んで頂きありがとうございました。来年もご笑覧宜しくお願いします。

【本5】クール・ルールズ〜若者文化を読み解く手引き〜

 

20世紀ーマスメディアによるアメリカの覇権が顕になった時代ー 新しい時代の新しい貴族としてのハリウッドスター、スポーツ選手、ミュージシャン、アーティスト、作家などに共通する「美意識」を多角的に分析。そう、この本では「クール」という新しい美意識を分析している。そしてその美意識のルーツは奴隷として労働させられたアフリカ系民族にある。

 

クール・ルールズ

クール・ルールズ

 

身体的服従の中でいかに魂だけは征服させられないか。想像を絶するほどの劣悪な歴史の中から彼ら(彼女ら)はブルースを生み出す。ブルースとは文字通り、ブルーな気分、または哀れみ、泣きの要素が大きな割合をしめる音楽である。 そしてこのブルースは後にジャズ、ロック、ヒップホップと20世紀を代表するようになる音楽ジャンルへと派生していく。 社会的な弱者として、奴隷達は白人達に表向きには従がった。しかし心では軽蔑し、黒人同士では連帯を強める。この抑圧的な白人達を排他し、黒人同士で連帯するのが現代の「クール」のルーツといえる。

 

 

50年代は細身の黒いスーツをビシッときるジャズメンがクールだった。 60年代はダボダボな服にロン毛な出で立ちでクラシックばりの展開をみせるプログレロックやサイケデリックなロックを演奏、または聞くヒッピーやビート世代がクールだった。 70-80年代はその反動としてモヒカンやスキンヘッドで下手くそでもいいというパンクが現れ、80-90年代はサンプリング、グラフィティ、ブレイクダンスなどをひっくるめたヒップホップがついに登場。 見た目や音楽的には共通点はないが、「排他的連帯感」「快楽主義」「無関心の装い」そしてアメリカで支配的な倫理観である、プロテスタント的な価値観(質素に堅実に暮らし、労働をすることが善)に対抗するという考えなどは共通してる点として見られる。

 

 

 

ここでいう快楽主義とはドラッグとセックスの話ですね。本書では、各時代にどんなドラッグが流行っていたか、または若者達がどう恋愛、またはセックスをしていたかなども細かく記述されてる。どの時代においても「クール」である為には、自分の親世代が眉を潜めるようなある種、「自傷的な行為」が求められる。だから若者たちは自傷的な行為をし、互いにその行為を見せつけ連帯し、親世代をある種「排他」する。

 

 

 

「排他的連帯感」「快楽主義」「無関心の装い」をまとめるとこんな感じになる。

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「そういえば最近あいつあんな危ない事もやってるしいよ」

「クール!」

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「かっこいい」とはなんぞや。 と気になる方、そして20世紀アメリカカルチャーに興味のある方、クール・ルールズオススメです。とにかく色んな人や話題(ジェームズ・ディーンポール・ニューマンも出てくれば女性関係で話題となったケネディさんやクリントンさんも)が出てきます。

 

最後の訳者後書きで気づきましたが、このルールズというタイトル、クールの決まり事(rules)という意味とクールが支配(rules)するという意味を両方かけてるんですね。この本を読み終わると実際に現代の社会は「クール」な価値観が文化のみならず、政治にも広く深く根ざしているのがわかる。21世紀の資本主義社会の中でも「クール」の支配はまだまだ続きそうだ。

 

 

※スケートカルチャーやXGames、またパルクールなどと言ったストリートカルチャーが一切触れらてなかったのは唯一気になる点ではあるが今後これらを含めた分析が出ることを期待する。もしくは自分が書いてみよう

【建築9】走れザハ・ハディド

ザハは激怒した。

何故私の建物は建てられないのか。

必ずや建てて見せる。

 

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イラクの進歩的な家庭に生まれ、英国で建築を学んだ建築家ザハ・ハディドはアンビルトの女王との異名を持っていた。初の実作は自身が40歳代に入ってからで、それまではコンペで選ばれながらも様々な理由で建設にまでは至らなかった。(激怒したかは定かではありません。)

 

そんなザハの大規模な展覧会が12/23まで東京のオペラシティーで開催される。

展覧会では模型やCG、またはシューズや食器などのプロダクトの展示もあり様々な視点から彼女の才能を垣間見れるが、個人的にはアンビルト時代や初期のドローイングに圧倒された。

 

彼女はガラスの破片が散らばったような、またジョルジュ・デ・キリコの絵のような空間と時間のゆがんだようなドローイングを大きなキャンバスに描く。

 

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会場の柔らかい照明に照らされたドローイングや什器は輪郭が少しぼやけ静かに、しかし動的なそして芯のある佇まいをしている。まるでイラクや中東の乾燥地帯の砂嵐の中からうっすらとその姿を表す古代遺跡の建築の様に。

【映画36】インターステラー

 デビュー作以外、全ての作品を追ってみてきたクリストファー・ノーラン監督の最新作、インターステラーを見てきた。

 


映画『インターステラー』最新予告編 - YouTube

 

【あらすじ】

もう地球には食料がなく、人類は住めなくなる。

食物も、人の気管支も、建物もすべてをダメにする砂嵐に人々は辟易としていた。

そんな近未来を舞台にしたSF映画。

 

 

 

マシュー・マコノヒー演じる主人公のクーパーは元宇宙飛行士兼凄腕のパイロット。

ある事故がきっかけでパイロットの仕事は辞め、今はトウモロコシ農家として自分の父と、息子と娘と暮らしている。

 

さてこのクーパーさん、パイロットでもあり、エンジニアでもある為映画の中では「知識人」として描かれている。謎の砂嵐や疫病によって食物を作れずにいるアメリカの田舎街に暮らす一家の母親は、多くは語られ無いが、亡くなってしまったようだ。

 

夢を諦め、妻を無くし、人類は飢餓に苦しむ。

クーパーは農業が嫌いだった。

 

そんなクーパーの10歳の愛娘のマーフィー(男につけられがちなこの名前の由来は映画内で明かされる。)は父の影響を受け、好奇心旺盛で負けん気が強い。

アメリカによるアポロ計画は実はアメリカ国家によるプロパガンダであり、人類は月になど行っていないとういう教育を学校でされている中でマーフィーは問題児扱いされていた。

 

ある時からマーフィーは自分の部屋の本棚から本が定期的に落ちることを父に報告する。幽霊がいると思う、と。しかし科学を信じる父からは「そんな物はいないんだ。怖がる前にまずは法則を見つけ出してごらん」と少し厳しいが為になる助言をする。

(とはいえ自分が10歳だったら普通に怖いわ)

 

こまめにメモを取り、モールス信号ではないかとマーフィーは推測。

と、ほぼ時同じくしてクーパー家周辺のトラクターが突然全て無人の状態でクーパー家に集まってくる謎の出来事がおこる。そしてまたやってくる砂嵐。

 

クーパーはマーフィーの取ったメモを見るとそれがモールス信号ではなく2進法を元にしたメッセージである場所の緯度と経度を表していることに気づく。

 

地図を片手にその謎の地に向かうクーパー。

そこで彼を待っていたのは、、

 

 

【感想】

やってくれました、ノーランさん。

ストレートに良い映画でした。

 

監督本人がどこかのインタビューでも語っていますが、この映画はあえてCGの利用を最小限にとどめているとのこと。CG全盛期になぜそんなことをするのかというと、

「70年代の映画をみて育ってきた僕にとってはこっちのほうがよっぽどリアルだから。」と監督。しかもCG使うよりお金がかかるそうです。

 

同じく宇宙を舞台にした映画グラビティと比較すると映像に「リアリティ」は欠けます。

でも宇宙に行ったことがある人間がほとんど居ないこの現代において、リアリティってなんでしょうね?笑

 

この映画は、 キューブリック2001年宇宙の旅とロバート・ゼメギスのコンタクトを参照そして乗り越えようとして作られたことが伺えます。

 

 

 

コンタクト [Blu-ray]

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 それぞれの映画の説明はまた別の機会にゆずるとして、似ている点をいくつか。

 

【音楽】

2001年宇宙の旅

(特にリヒャルト・シュトラウスリゲティなどの音楽が多様されている。ドイツ的な「クラシックは荘厳で抽象的な時代を越える音楽だ」という伊・仏に対するある種のコンプレックスのような音楽)

 

インターステラー

ドイツ出身で多くのノーラン作品の音楽を手がけているハンス・ジマー。軽快で明るい音楽ではなく、弦楽器をたくさん使った重い音楽をつくります。個人的にはある種「ドイツ的」な音楽だと思う。

 

 

【映像での語り】

1つのシーンのカットが長い点(宇宙船のドッキングなど)、説明があまりないまま進行する、印象的に現れる謎のオブジェなどは2001年もインターも共通しています。

 

【テーマ】

コンタクトは地球外生命体との交信の話なのに宇宙に行くシーンがほとんどない。宇宙に強い憧れを持つ少女が父親(母親は主人公の生後に亡くなり、後には父親も亡くなってしまう大変な苦労をしている)に無線の使い方や天文学の基礎を習い、成人してからは電波望遠鏡の周りを男顔負けのエネルギーでぶいぶい走り回る。

 

インターステラーも似たように10歳ほどの少女が父親の薫陶をうけ、一流の学者となっていく様が描かれている。

 

【方便なのか詩なのか】

Dylan Thomasというウェールズ出身の有名な詩が印象的に使われていたり、

聖書のラザロの話が引き合いに出されたり、

元ネタがわからなくてもこの映画を見たことを機に元ネタ探ししてみたいですね。

 

あと、これもインタビューでの発言であったようですが、最近はスマホやネットなどの技術がどんどん進化していて人間は宇宙に興味が無くなってしまった気がする。と。

もちろんスマホの技術もいいけれど、内に内に入って行ってインセプションのような世界に陥るくらいなら、外に出て行こうぜ!というポジティブな考えがあるようだ。

賛成です。

 

 

2001年が冷たいながらも、無駄の無いSF映画だとすれば、

コンタクトはより人間の感情を取り上げている暖かい映画。

 

 

そしてインターステラーは?

 

カート・ボネガットとか仏教関連の本を読みたくなった。

【紀行文1】初ヨーロッパ・初パリ〜pt.1 kilometer zero paris〜

少し間があいてしまったが、今年の9月に初のヨーロッパ旅行としてパリに行ってきた。

メモとして、そして参考になる点があるかも知れないと思うのでいくつか書いておく。

 

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ルーブルよりもオルセーよりも感激したポンピドゥー。

【時期】

9月19日から24日までの5日間

旅行シーズンのピークから少しずらしたつもりでしたが、世界でもっとも観光客の多いパリ、さすがにそんなのは関係無く多くの美術館やショップは観光客でにぎわっていました。

ちょうどこの時期はレディースのパリコレが間もなく始まるという時期もあり、何かしらイベントがあるかな?と思ったのですが逆にパリコレの搬入準備などで入れない施設などがありました。ちなみにこの時期は日が落ちるのが8時くらいなので気持ちに余裕をもって外に遊びに行ける。

 

【気候】

真夏の日本よりは涼しいかと思ったので春夏用の麻のジャケットと一応綿素材のストールを持参。昼間はTシャツ一枚でもあつくなる時もあったけれど、突然雨が降ったり変える前日は突然気温が下がりパリジャンもコートを着たりしてたので上着は本当に助かった。

 

【服装】

まぁ観光客なのであまり気にしなくて良いと思うけど、一応気がついた点をいくつか書き留める。

 

・ニットキャップ

2014年11月現在ではニットキャップをコートやジャケットに合わせるスタイルはかなり普及しているが、パリだとニットキャップをかぶる人はほとんど見かけない。ちなみに今パリでも若者に人気の出始めているマレ地区というエリアではちょいちょい見かけた。

・シャツ

だいたいのパリジャンは夕食を取る前に一度帰宅し、簡単に着替えるみたいだ。そして簡単なレストランでもカフェでも一応襟のついたシャツを着ていた。こういう部分はいいなと思った。全身着替えなくても、シャツだけ変えたり、靴を変えるだけでも気分転換になって「食事」 をより楽しもうと思える。

 

注)僕たちが拠点としていた右岸(川の北側でオースマンさんとナポレオン3世が都市計画で作ったいわゆるパリっぽいパリの地区)でさらにオペラ座付近だと比較的街を歩く人たちはフォーマルなきちんとした人が多い。

 

 

 

【ユーロ】

1ユーロ=134円のレート。この後に更にユーロは高くなっていたので、まぁ比較的いい時期にいけたほうだと思う。

 

【航空券】

17万円。ANAで羽田からのパリのシャルルドゴール空港への直行便。フライト時間は約12時間で、直行便だと割高ですが日程が限られていますのでここは目をつぶった。

 

【宿】

4泊で約5万円。

booking.comというサイトで1〜2ヶ月前から予約。キッチン付きのホテルでどちらかというと長期滞在者ようのホテルですが、かなり綺麗でした。

オペラ座から電車で10分ほどのCadetという駅が最寄り駅。

付近は比較的移民が多い地区でしたが全然治安も悪くなく国際都市パリ、を味わえました。なぜか自分たちの部屋だけ本館から離れていて離れのような場所だったので隣がうるさいなどのトラブルは無く、値段、立地、などすべて込みでかなり満足できたホテルでした。

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 夕暮れ時のホテルの前の道。

【移動】

市内の移動は徒歩かmetroを使った。券売機で回数券(10枚分の金額で11枚)を買えるのでこれがあると便利。英語でチケットは買えるし、metroは改札に入ってしまえばどこまでも同じ料金なのでそんなに複雑ではなかった。

 

ちなみに日本の駅のようにトイレはありません。

 

【食事】

パリといえば芸術やファッションだけでなく食事も素晴らしい。

でもレストランやカフェに入る際に気をつけたほうがいい点を書いておく。

 

①チップーお会計後のテーブルの上にチップを置く、もしくはお会計の際にチップを渡します。相場はだいたい料金の10%くらいですね。

②水ー日本のようにとりあえずお冷や、もしくはお茶が出てくるという習慣がありません。水が欲しければ炭酸水入りか炭酸の無い水を注文する場合が多いです。もちろん水道水くださいと言えばそれはただで出してくれる。

③ウェイター・ギャルソンー結構適当な人が多いです。

どう適当かというとケータイで個人的な電話をしてて店が混んでくるとやっと店にでてくる、(さすがにここまでやる人は1人しかいなかったけど)

なぜか手をあげて呼ぶのはあまり宜しくないらしいなど(こんなの気にしてたら観光客は何もできないのでそんな習慣完全に無視して少し強気に行ってもいいと学びました笑)

 

まぁだいたいあちらの人たちは適当な反面、気さくなんですが日本の常識でいくと疲れます。とりあえず日本の接客はコンビニでもファストフードレベルでも細かいことがマニュアル化されているなぁと思った。(どちらが良い悪いの話ではないです)

 

 

【スリ】

ヨーロッパ旅行になれている彼女と行きましたが、とにかく口を酸っぱくして言われたのが、スリに気をつけて。ということ。

 

買い物をしてお金をきちんと財布にしまうまでレジから動かないとか、

本当に大事な物はパンツの前のポケットにしまうとか、

iPhoneや財布をレストランのテーブルの上に出したままにしない、

などと細かく注意されました笑。

そのおかげでスリに合うことは全く無かったのですが、油断は禁物。

せっかくの旅行が台無しになってしまう前にできる対策はしておきましょう。

 

【美術館】

パリの醍醐味の一つである美術館ですが、いくつか回る予定がある人はパリ市内の美術館パスのような物を買っておくと便利です。

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ルーブル直結の地下のショッピングモールで販売していたのですが、

2日間券、4日間券、6日間券があって市内のほとんどの美術館はこれで回れます。

僕達は2日間有効のタイプを買って、3つほど行ったところで元がとれますが金額よりもこのチケットのいいところは時間が節約できるという点です。

大きな美術館になればなるほど、入場券を買うだけでかなり待ちます。

ルーブルとか下手したら入るだけでも1〜2時間、時期によってはもっとかかる場合があるそうです。しかしこのチケットを持っていれば列をすっ飛ばしてすぐに入場できます。何カ所か美術館を回りたい人にはオススメ。

 

 

 

実際に訪れた場所については次回へと続きます。

 

 

 

【建築8】木造のアバンギャルド~SANAAの新作~

抽象的、浮遊感、清涼感、柔らかい、白い。

 

妹島和世西沢立衛による建築ユニットのSANAAの建物を表すとしたら以上のような言葉を使うことになるだろうか。

金沢21世紀美術館で世界に名を知らしめた二人組は建築界のノーベル賞と言われるプリツカー賞を受賞し、住宅、集合住宅そしてなによりも美術館の設計で独自の世界を切り開いていることで有名だ。

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一般的な美術館は、重く、権威を示すような場で、入り口があり順路がある。必然的に建物の中に序列ができてしまいがちだ。中には日本では「ハコモノ」として周辺環境と全くとけ込めず、周辺の住民にも愛されていない美術館があったりするそうだ。

 

そんな美術館とは対象的に金沢21世紀美術館は、

・金沢という地方都市の

・更に現代アート専門で

・無料スペースと有料スペースに分かれていて

・円形であり

・内部は大小様々な箱が展示スペースとなっていて

・入り口と出口は4カ所ある

 

などと機能の面でも新しかった。

そして写真でもご覧いただける通り、外部と内部の境目が曖昧な緩やか操作がこの美術館のデザイン面で特筆される点である。一部の無料スペースで現代アートを体感できる場所あったり、閉館時間が比較的早い美術館にしては異例の夜10時まで空いてる箇所があることから一般的な美術館ではなく公園のような役割を果たしている。仕事の合間のサラリーマンや、子育て中のお母さん、この建物目当ての建築好きなど様々な人たちの憩いの場所として愛されている。そして何よりも、会館当初から異例の入場記録をたたき出し、美術館周辺には飲食店やギャラリーなどができたりと建物がただのハコではなく、街にとけ込み、人が集まり、そしてそこから街へと新たな動きができるという理想の美術館である。

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こちらは西沢さん個人で設計した豊島美術館

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で、やっとここから本題。

こういった周囲にとけ込み、建築家の隈研吾の言葉を借りると「周囲に対して勝ち誇る建築ではなく、負ける建築」を立ててた妹島さん、西沢さんの両者の建築家としてのキャリアが大きな転換点を迎えた。気がする。

最新号の新建築に掲載された写真をみて衝撃を受けたのでそれを紹介する。

 

新建築 2014年 11月号 [雑誌]

新建築 2014年 11月号 [雑誌]

 

新建築2014.11号

 

 

両者が設計した個人住宅は木造だ。

大事なことなのでもう一度いう。

 

両者が設計した個人住宅は木造だ。

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妹島さんによる団子坂の家。

 

 

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西沢さんによる寺崎邸。

 

 

 

残念ながらこの転換点が建築史として、または構法としてどういう意味合いがあるかという専門的な解説は僕はできない。

 

一つ言えるのは、素材を変えるだけで、これだけ新しく見える。

おそらく設計のプロセスにも変化があり、結果としてできた建物そのものの質も大きく変わる。ということ。

木造のアバンギャルド、という題名にしたものの、おそらくアバンギャルドという言葉は適切ではないと思う。しかし、既に建築の世界で新しい世界を切り開いてきた両者がある意味自らのスタイルを捨て、木材を全面に使ったということは素材に対する批評性であり、ある種のアバンギャルドとも言える。

この2作は木造建築、ひいては現代建築の世界を更にまた可能性を大きく変えることになるのではないかと考えている。

 

(注)

私は建築の専門の教育を受けていないので間違った記述があるかもしれませんが、ご了承ください。間違った部分があった際にはご指摘いただけると幸いです。

 

(注2)

新作2作の写真は新建築2014.11から転載。

 

 

 

 

 

【建築7】Wired Conference 2014 Future City pt.2

前回のpt.1ではWired Conferenceの概要

【建築7】Wired Conference 2014 Future City pt.1 - michischili 's note book/The Lost Rivers of Tokyo

が中心だったので、こちらではプレゼンをまとめる。

 

【未来都市】

雑誌ワイヤードはITを中心として、デザインやアート、建築などがどう変わっていくかなどを紹介している。今回のカンファレンスは都市が将来どう変わるかといったテーマ。僕は専門の教育は受けていないですが、建築に関しては素人以上のオタクだと自負している。当然間違っていることなどもあるかもしれないですが、詳しい方にご指摘いただけると幸いです。

 

 【ケビン・ケリー】

ワイヤード創刊時の編集長。

テクノロジーの進歩によって、世界はディストピアに向かうと思う人は多いようだが、必ず良い方向に進むと思うという話。

 

アーリーアダプターと呼ばれる人達が、まだ未完成な新テクノロジーに莫大な投資をする。現代でいえば例えば3Dスキャン、レーザーカッター、Go Proとかの技術かな?昔だったらまだWindowsが普及する前にMs-Dosとか初期のAppleとかを使ってた人達がいた。そして、未完成な技術を使い倒すことで、その技術はどんどん洗練される。技術が洗練されると、今度は一般人がが新技術を享受する段階になる。

そしてこういった新技術は都市で発展し、都市も新技術によって発展する。

また、都市とは多様性。様々な選択ができるのは都市の魅力であり、テクノロジーの発展によって都市も発展するだろう。という内容のカンファレンスの導入にぴったりのプレゼン。

 

【ライゾマティックの斎藤さんとの対談】

ネバダ州で開催されるバーニングマンという特殊なイベントの紹介。周りに何もない砂漠に街を作り上げ、新しくであった隣人達と共同生活を送る。独自の通貨やルールなどもあり、1週間後には全てを解体、無に返すというちょっとヒッピー的なイベント。一つの都市のあり方の例としての紹介だったが、初めて聞いたので結構面白かった。

 

【豊田啓介】

安藤忠雄事務所出身で、アメリカのShoPアーキテクツにも在籍していた豊田さんはNoiz Architectsという事務所を立ち上げ、デジタル技術をふんだんに使ったデザインで有名。3Dプリンターやレーザーカッターなどが普及し始めている現代では、物作りのあり方も変わるかもしれない。そんな中、建築や家具のデザインをするとどうなるか。

プレゼンは"Still life, still?"(まだ静止画?)というスライドから始まり、静的な建築ではなく、文字通り動く建築の可能性を氏の過去のプロジェクトなどと共に紹介していた。

 

 

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Morphing家具は、今までに作られてきた無数の椅子のデータを元に一つの椅子の形がすこづつ別の形へと変異するというコンセプトの家具。有名なアアルト、ペルリアン、ハーマンミラーなど、自分の好みの椅子を選んでそれを元に唯一無二のmorphing家具を作れる。

 

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こういったシュミレーションがパソコンでできるようになった現代では、かつての建築で必要だった構造計算ができなくなってきているそうです。

 

これがもう少し「都市」とどう関わるのかの説明があったら面白かった気がします。とはいえ、プレゼンもうまく、実作もたくさん見てみたくなりました。個人的には今後の活躍がとても気になります。

 

 

 

【ビャルケ・インゲルス】

今回のカンファレンスのヘッドライナー。レム・コールハース率いる事務所、OMA(Office of Metropolitan Architecture)出身のデンマーク人建築家。

都市と建物の境界線が曖昧になる、場所に根ざした独特の形態、OMAでもみられるような機能と構造のあり方を新しく見直すという彼の発想とそれを実現してしまう彼の力は今後の世界の建築と都市を変えること間違いなしです。ユーモアも交えた彼のプレゼンは巨匠のような貫禄がありながらも少年のようなエネルギーにあふれてます。

「快楽的サステイナビリティ」というコンセプトを提唱している氏は、

「これからは(サステイナブル)持続可能なシステム作りが必要になるがそれは禁欲的な物である必要はない。モダニズムの建築は、20世紀前半に活躍したドイツ人建築家ミース・ファンデルローエの「Less is more」(少ないことは豊かである)から始まり線が少なくある種、禁欲的で世界中どこにいっても同じような箱型の建物を作った。

それをアメリカ人建築家でラスベガスの都市と建築にみられる、大きな看板と箱という特徴を研究したロバート・ベンチューリが「Less is bore」(少ないことはつまらない)と批判した。ベンチューリなどがポストモダン建築を立てたが、ビャルケはそれを更に発展させ、オバマ大統領の「Yes, we can」と合わせて「Yes is more」という。

 詳しくは本人のプレゼンを見てください笑。

                         
Worldcraft: Bjarke Ingels (Future of StoryTelling 2014 ...

 

                          
TEDxEastSalon - Bjarke Ingels - Hedonistic ...

今回のプレゼンでは、最近のプロジェクトとして海洋博物館、オーディマ・ピゲ、NYで建設中のcourt scraper、NYの防災都市プロジェクト、LEGOの施設などとたくさん紹介があった。

 

【重松象平】

同じくOMAの所員で、OMAニューヨーク代表を勤める重松さんはビャルケさんの元同僚であり、良き友でもあるそうです。どうしてもコールハース本人が目立ってしまう為、重松さんがプレゼンした動画はあまり見たこと無かった。

 


老朽化した橋を公園に変える、OMAとOLINの「ワシントンD.C.版ハイライン計画」 « WIRED.jp

これが最近では面白そうなプロジェクト。

 

 

 

20分ほどのプレゼンだったけど、ビャルケは本人の建築についての解説が中心だったのに対して、重松さんは今後の日本と都市のあり方について提言していたため、より印象的だった。

 

まず、世界中で「未来」と題されたシンポジウムなどが過去にどれだけ開かれたかを発表。2010年が最も多く最近は現象気味。傾向としては経済が停滞気味の時こそ未来について語りたがるらしい。なるほど。

 

そして、最近は未来が現代を変えるような曖昧な状況になってきているという話。わかりやすくいうと、アマゾンでは勝手にユーザーが好きであろうという商品を届けたり、Uberなどのサービスもユーザーを先回りしてタクシーが待機するというサービスが考えられているらしい。では、都市と建築の場合は?

 

OMAがマリーナ・アブラモビッチという過激なパフォーマンス・アーティストに依頼された劇場の例を紹介。全ての演劇は6時間以上の公演時間がないといけない、という制約や、観客も公演に参加しなければならないという強い制約が設計に反映される。また、タイかどこか(すみません、失念しました)の南アジアの富豪の作った外観も内装もすべて黒色の変わった個人美術館もある。今後の都市は個人の希望が建築となり都市も変えて行くかもしれないというまとめ。

 

更に、食について言及。ちょっと意外だったけれど、かなり重要な指摘だと感じた。まず、本来の多様な都市ではアラカルトのように様々な物が選べると重松さんは説明。しかし最近では弁当箱がたくさん立ち並ぶような都市になっている。要するに、だいたいどこを見ても、米があって(オフィス部分)、肉があって(低層部分に商業施設があって)、野菜があって(駐車場など)と似たり寄ったりなビルがたくさんできていると。

 

その中でも、ヒカリエやアベノハルカスなどは、機能(プログラム)に応じて元の建物のボリュームを変えるという手法が見られて(積み木を少しずつずらすような感覚)、単なる高層ビルではない点が好感が持てる。

 

そして本当の食の話に。重松さんが教えているハーバード大学のデザインのコースで学生と行った食についてのリサーチの紹介。服や建物は世界中で均質化したが、食はまだ多様である。北米大陸の西側、アメリカとカナダをまたぐエリアに独立国家を作ろという運動がある。カスカディア共和国という名前で、環境問題に関心のある人たちが中心に活動している。そしてカスカディアでは多様な食を確保できるというのが強みだと言う。(調べてみるとこの構想、アメリカ3代目大統領のトーマス・ジェファーソンが元のアイディアを出したらしい。ちなみにこのジェファーソン、建築家でもあり鉄道網を整備したりとかなり多様な才能の持ち主だった)

カスカディアや、シンガポールで構想されているスーパー農業都市などの例は、食の未来を考えることはすなわち都市のあり方にもそして国家のあり方にも関係する。

 

さらにニューヨークのハイラインが成功して以降、世界中で使われなくなったインフラを再利用する動きが出てきている。シドニー版ハイラインや、ロンドンでは地下鉄の廃駅をい使う例などを紹介。日本でも日本橋上の首都高の景観が問題にあがることがあるが、例えば一部でも緑化して空中遊歩道のようにしてみてはどうか。

 

そして終盤では、 安全性と国土の話。日本人建築家は昔はグランドビジョンをよく語っていたが最近はあまり語る人がいない。今後は経済が右肩下がりのときにも語る必要があると思う。

 

例えば、太平洋工業ベルトとシルクロードシルクロードでもバックミンスターフラーのダイマクションマップでも日本が端にあって、終わりに位置していた。

かつては文明や文化の終着点であったが、近代化に関しては日本がアジアでは先だった為、今後は日本(東京からの工業ベルトに位置するメガシティ)からアジアへと近代化の波がシルクロードを逆流するという見方ができる。また、上記の工業ベルト(メガシティ)とは別な軸として東京から東北、北海道までの軸も見える。

 

工業ベルトに関しては、右肩上がりの時期に考えられたリニアモーターカーをどうにかして使えないか。東京から福岡までリニアで結び都市化を極限まで押し進めメガシティを作るなど。そして東北から北はメガシティのカウンターとしての街のあり方を考えてもいいかもしれないという提案など。

 

【ざっくりと】

個人的にはビャルケさん目当てで行き、本人のプレゼンを生で聞けたのは良かった。ただ、意外だったのが重松さんのプレゼンだった。唯一、東京、または日本の都市のあり方について批判と提案の両方をしっかり行っていた為、逆に新鮮に感じられた。この国土の計画の話は藤村龍至さんの批判的工学主義にある日本列島改造論2.0にも通じるものがあると思えた。

 

 

あとは重松さんは僕と同じように日本人なのに海外経験がある人、という理由だけで親近感をもてたというのもある。

 

いずれにせよ、2万円払って第一線で都市、建築、テクノロジーの分野で活躍する人達のプレゼンを生で聞けたのは良かった。これを機に改めていくつか建築や都市計画に関する本を読んで見たくなった。

 

【服飾1】Popeye~un Fashion~

 

今メンズファッション誌で最も勢いのある雑誌はPopeyeであることには誰も異論は無いはず。

かつてはMen's non-noに押され気味だったPopeyeも数年前のリニューアルを機に大きく紙面つくりが変わり、magazine for city boysという軸で服飾だけでなく、DIY特集、アウトドア特集、都市の特集(ロンドン、パリ、ニューヨーク、ポートランド、東京など)といった切り口で今どきの若者(だけではないか)の文化を紹介している。

 

ここではPopeyeのリニューアル後の紙面の変化と実際の世の中の「トレンド」の変化の比較はしない(いつかしてみる)が、最新号の特集が個人的につぼだった為紹介する。

 

POPEYE (ポパイ) 2014年 11月号 [雑誌]

POPEYE (ポパイ) 2014年 11月号 [雑誌]

 

 

 

un Fashionという写真集からヒントを得た今回の特集は、「ファッション」を否定するのではなく、「スタイル」にポイントを当てた服飾の特集になっている。

パリコレでの有名ブランドのルックを細かく説明するのではなく、世界中の

「生活に根ざしている、合理的な服=スタイルのある服」として紹介している。

 

 

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例えば、ドイツではツィマーマンという伝統的な大工がいて、彼らは見習いの時期には黒の大きなつばの帽子をかぶり、黒のコーデュロイのセットアップに身を包み3年ほど欧州を放浪修行する。

 

 

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また、冬場になると出番の多い太いケーブル網のニットは欧州北部の漁師が作業着として着ていたものだったりする。

 

そしてもちろん、メンズファッションにはもっと身近なミリタリー、スポーツ、アウトドアなどの「スタイル」由来の服やアイテムがたくさんある。

簡単に言えば今回の特集はこういった「おっさん臭くなりがちな服の蘊蓄」っぽい部分もおっさん臭くならないように伝えている。

 

 

残念ながら書店を見ていると今号の売り上げは絶好調ではなさそうではある。

しかし、今のご時世売れることを目的とした一部「ファッション」を大々的に取り上げず、本来の服の背景などを紹介するという勇気ある編集には多いに賛同したい。

長い目でみれば結果的にPopeyeは多雑誌との差別化をより図れている。

 

元ネタのun fashionも目を通してみたくなった。

 

(un)Fashion

(un)Fashion

 

 

 

【建築7】Wired Conference 2014 Future City pt.1

10月10日金曜、今年できたばかりの虎ノ門ヒルズにて、

Wired Conference 2014 Future Cityに参加してきた。

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初めてこういったイベントに参加した気がするので、今後こういったイベントに参加してみたいという方に参考になりそうな情報を記載する。

 

 

主催:雑誌ワイヤード

テクノロジーとデザインについてマニアックな部分と、マスにもウケる部分の記事をバランス良く編集している雑誌。写真のクオリティだけでなく、独自の記事や、本国アメリカ版ワイヤードの記事の翻訳なども読み応えがあるものが多い。

更に魅力的なのは、記事がウェブでも読める物があったり、雑誌購入者には雑誌の紙面がそのままPDFとして読むことができるサービスもある。

いいとこづくしな雑誌の値段は500円。これはもうほぼどんな特集でもとりあえず買ってみたくなりますよね。

 

会場:虎ノ門ヒルズ4Fフォーラム

300人ほど参加者がいましたが、正直この会場は狭かったと思う。特に、机といすの配置が横に詰まっていた為、登壇者との距離はさほど感じられないが、他の参加者との距離は比較的近い。肌寒くなって上着を着るのも少しはばかられる。しかし、受付横では参加者には無料でコーヒーとミネラルウォーターが配られていたり、スムーズなスタッフの対応などがあったりと良いところももちろんあった。

 

金額:¥19,440

 ちょっと高かったけど、まぁ夏にフジロックとかサマソニ行く感覚と同じじゃない?と自分に言い聞かせた。

 

スケジュール:10:00〜18:00

平日休みの僕は希望を出してこの日を休みにしましたが、さすがにちょっと朝がきつかったです笑。

第一部は10:00〜11:40

休憩が入り、

第二部が13:00〜15:20

また休憩が入り、

第三部が15:40〜17:40

 

そして18:00〜19:00は登壇者ともお話ができる懇親会というスケジュールでした。

大人の事情があるのでしょう、宣伝してます!という空気いっぱいのプレゼンが1、2個あった。仕方ないとはいえ、それを無くして、メインのゲストのプレゼンや対談などに時間を割いてくれたほうが満足度はあがったような気がする。でも普通に楽しかったです。

 

客層:男女比、6:4で男性が多い。20〜30代が中心で比較的おしゃれな人も多かった。今回は都市計画や建築関連のプレゼンが半数以上を占めているにも関わらず、参加者はあまり建築関係の人ではなく、ワイヤードのメインのターゲットであるIT系の人が多かった気がする。まぁその中で、文系の学部出身で、アパレルで働いている自分は割とマーケティングの対象としてはレアな気がした笑。でもよく言えば、いろんな層を取り込めているのは流石!という感じです。

 

以上、プレゼン意外の部分のワイヤードカンファレンスのレポートでした!

pt.2では内容のレポートします。

 

 

WIRED VOL.10 (GQ JAPAN.2014年1月号増刊)

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【映画35】ライフ・アクアティック〜ビル・マーレイと温水洋一?〜


Life Aquatic trailer - YouTube

 

2004年公開。監督はウェス・アンダーソン

 

 【あらすじ】

ビル・マーレイ演じる海洋冒険家・ドキュメンタリー映画監督のスティーブ・ズィスー。数々の名作を送り出し、子供達の憧れの的であった彼はスランプに陥っていた。

もう自分には才能が無いのか。もうやめるべきか。

 

最新作のドキュメンタリーの撮影中に親友であり自身の右腕でもあった仲間が正体不明の海洋生物に襲われ亡くなってしまった。ズィスーはこの生物は新種のサメだと主張。

しかしこの生物は映像に納められず、ぐだぐだ感満載の最新作に、試写会も葬式ムード。

 

雪辱を果たす為、人生最後になるかもしれない冒険に出ることを決めたズィスー。しかし、人にもお金にも愛想を尽かれてしまっているズィスーは、長年連れ添ったチーム・ズィスーの頭脳にして妻のエレノアとも冷めきってしまい離婚の危機に陥る。

 

歯車が狂い始めながらも冒険に出ようとする直前にズィスーの息子と名乗る人物、ネッド(オーウェン・ウィルソン)が現れる。

 

ズィスーとネッドは本当に親子なのか?

人食いサメは本当にいたのか?

そしてズィスーの映画は成功するのか?

 

冒険は始まったばかりだ。 

ライフ・アクアティック [DVD]

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【感想】

またしてもウェス・アンダーソンがやってくれました。

絵本のような、童話のような、血湧き肉踊らない海洋冒険物語。

 

何本かこの監督の映画をみて気づいたこと。

①今回の船、最新作のホテル、ダージリン急行の電車、など。

一つの映画につき、一つ大きな場所が定められている場合が多い。

 

②だいたいダメダメな大人(特に父親)が主要な人物として登場。子供達の成長によって大人がしっかりし、父親が父親らしくなる。

 

③アナログな手法で撮影/編集をすることで、わざと「フィクション」感を出す。

ドーリー撮影や、映画のセットをセットであるとあえて強調するような色彩を使い、エキストラから主役まで服装にこだわる。

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①については、場所が決まっているほうがセット作りや撮影が楽なのかもしれない。見る側としては、その場所にまつわるエピソードと映画を重ねてみれるからリアリティが増す。(今回の映画であれば巨大な生物に襲われるなど)②については監督が子供の頃に両親が離婚をしたのが原因だそうだ。一貫してこの監督は映画の中に立派な父親を探し描き続けている。③については、①と繋がることだが、フィクション感を強調した、キャラクター同士のやり取りが中心の脚本になる。しかし、だからこそ様々な解釈が可能なコンテンツとして成り立つのだと思う。脇役を主人公にしてスピンオフ作品を作れそうなキャラクターがたくさんいるこの監督の映画。

 

と、この映画の感想から少しずれてしまった。

 

だめだめで、疲れた中年を演じさせたら誰も勝てないビル・マーレイが本当にイイ味をだしている。(いや、日本にも温水洋一がいるか。エドワード・ノートンもいい味だすか)とにかく、最後までこのおっさんの演技から目が離せない。

そしてケイト・ブランシェットは妊娠中の雑誌記者として登場するけれど、妊婦で仕事人なのにとても色っぽい女を演じてるのがイイ。こんなこと言ったらどん引きされるかも知れないが、まぁ見たら意味わかります。

所々に挿入されるボサノバ風の弾き語りが、演劇のように場面が変わるのを強調し、同時に観客と物語を繋ぐ。