【服飾1】Popeye~un Fashion~
今メンズファッション誌で最も勢いのある雑誌はPopeyeであることには誰も異論は無いはず。
かつてはMen's non-noに押され気味だったPopeyeも数年前のリニューアルを機に大きく紙面つくりが変わり、magazine for city boysという軸で服飾だけでなく、DIY特集、アウトドア特集、都市の特集(ロンドン、パリ、ニューヨーク、ポートランド、東京など)といった切り口で今どきの若者(だけではないか)の文化を紹介している。
ここではPopeyeのリニューアル後の紙面の変化と実際の世の中の「トレンド」の変化の比較はしない(いつかしてみる)が、最新号の特集が個人的につぼだった為紹介する。
un Fashionという写真集からヒントを得た今回の特集は、「ファッション」を否定するのではなく、「スタイル」にポイントを当てた服飾の特集になっている。
パリコレでの有名ブランドのルックを細かく説明するのではなく、世界中の
「生活に根ざしている、合理的な服=スタイルのある服」として紹介している。
例えば、ドイツではツィマーマンという伝統的な大工がいて、彼らは見習いの時期には黒の大きなつばの帽子をかぶり、黒のコーデュロイのセットアップに身を包み3年ほど欧州を放浪修行する。
また、冬場になると出番の多い太いケーブル網のニットは欧州北部の漁師が作業着として着ていたものだったりする。
そしてもちろん、メンズファッションにはもっと身近なミリタリー、スポーツ、アウトドアなどの「スタイル」由来の服やアイテムがたくさんある。
簡単に言えば今回の特集はこういった「おっさん臭くなりがちな服の蘊蓄」っぽい部分もおっさん臭くならないように伝えている。
残念ながら書店を見ていると今号の売り上げは絶好調ではなさそうではある。
しかし、今のご時世売れることを目的とした一部「ファッション」を大々的に取り上げず、本来の服の背景などを紹介するという勇気ある編集には多いに賛同したい。
長い目でみれば結果的にPopeyeは多雑誌との差別化をより図れている。
元ネタのun fashionも目を通してみたくなった。
- 作者: Tibor Kalman,Maira Kalman
- 出版社/メーカー: Harry N. Abrams
- 発売日: 2005/03/01
- メディア: ペーパーバック
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