【映画27】ハスラー
勝負師、という意味です。
悪く言えば、ギャンブルではったりかまして大金を巻き上げる勝負師。でしょうか。
この映画ではビリヤードの勝負師として開花して行く若者(ポール・ニューマン)と、
その若者のプロデュースとマネージメントを買って出るショーンペン似のおじさん
(ジョージ・スコット)が主役です。この二人の演技が素晴らしくて頭から離れません。
なぜこの二人の演技が頭から離れないかというと、この映画はただのビリヤードの映画ではなくて、
「勝つとはなにか」「負けるとはなにか」「愛とは」「自由とは」などと言ったかなりでかい話が映画の土台にあって見ていて文字通り「命をかけて」「勝つ」ことを描いているんです。演技の凄みが伝わってきて背筋がのびるんです。本当に。
コンセプトがしっかりしてるから脚本も本当に無駄がなくて丁度いい。
「お前の言う愛とは束縛のことか?」と言っているものの本当の愛に気づかなかったことが後半で明かされたり、「お前は負け犬だ。」と言われて本当にずるずる負け始める。
さらに黙っていてもそれだけで絵になる演技、それができる俳優がいてこそ無駄のない脚本が際立つ。そしてこの映画でのポールニューマンとジョージスコットは黙っているだけでも絵になるんです。ポールニューマンの人を食うかのような睨みはただ攻撃的なのではなくてなんか吸い込まれるような力があるんです。
下手な自己啓発本とか読むくらいならこの映画を100円で借りてきて、「まぁ映画は娯楽でしょ」と軽ーい気持ちで見始めていただきたい。僕もそう思いながら見始めたら度肝を抜かれました。いやはや、いい映画ですね。