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平成生まれ、米国育ち。面白い奴は大体友達。美術史専攻→洋服屋/ポップカルチャー/ ファッション、音楽、映画(たまに建築)

Ready Player One『レディ・プレイヤー1』と『マトリックス』〜前編:仮想現実〜

今回ご紹介するのはこちらの映画!

 

スティーブン・スピルバーグ監督、『レディ・プレイヤー1』です。 


映画『レディ・プレイヤー1』30秒予告(世界大ヒット編)【HD】2018年4月20日(金)公開

 

はじめに

スピルバーグはやっぱり凄かった。日本発のキャラクターがたくさん出てる事は知られてると思いますが、この記事ではあえてキャラクターの事は書きません。どのキャラクターが出てくるなどの情報を知ってしまうと面白さが半減してしまうと思うので、未見の方も安心して読める、僕なりの切り口で紹介させて頂きます。

 

 

レディ・プレイヤー1』と仮想現実

レディ・プレイヤー1の世界では、ハリデーという天才プログラマーが作ったオアシスという仮想現実の世界が登場します。どうぶつの森や、セカンドライフの進化版でしょうか。オアシスはもはやインフラと言っても良い程世の中に普及しています。この仮想現実の中で、人は仮の自分の姿でレースをしたり、踊ったり、はたまた賞金稼ぎのゲームをしたりします。

 

映画は、「オアシスの中に3つの謎を隠した。その3つの謎を解き明かした者に、オアシスを引き継いでもらいたい」とハリデーが遺言を残して亡くなるところから始まります。主人公のウェイドは、このオアシスの中と、現実の世界を行ったりきたりする中で、仲間と力を合わせて謎を解く、というストーリー。このストーリー自体は至って普通ですが、仮想と現実の魅せ方がやっぱりスピルバーグは上手い。そして何よりもメッセージに感動しました。

 

レディ・プレイヤー1』では現実逃避として、仮想の世界で遊ぶ事で救われる人を描いてます。仮想の世界で擬似的になりたい自分になったり、やり残した事をやってみたり、誰かに認めてもらったりする。そうする事で息抜きになる人もいれば、大袈裟に言えば救われる人もいる。これは映画でも、ゲームでも、小説でもそうですね。

(もちろん負の側面として、仮想の世界にのめり込みすぎで、現実の生活が破綻するほど課金してしまう人もきちんと描いています)

 

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低所得者達が住む、未来の団地、スタックスに住む主人公。

 

 

でもやっぱり美味い飯は現実でしか食えないし、普段生きる世界も大切。というメッセージを示した『レディ・プレイヤー1』。ここでは仮想と現実、それぞれの役割りと補完関係をきちんと描き、アドベンチャーとしてまとめたのは流石スピルバーグ!と思いました。 僕は『レディ・プレイヤー1』を観終わった後に、これは似たテーマを扱った映画『マトリックス』への回答とも捉えられると思いました。

 

マトリックス』と仮想現実

 

The Matrix [Blu-ray]

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マトリックス』の公開はもう19年も前なんですね。感慨深い。この映画は、主人公達が当たり前だと思っていた世界が、実は虚構の仮想の世界だ、というテーマがありました。未来の人類は機械に支配され、マトリックスという仮想の世界にいると思い込まされているというショッキングな内容。

 

 

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主人公、ネオが目覚めた「現実の世界」では人類対機械の大規模な戦争が行われています。そこでは機械が人間を電池のように扱う、というシーンが描かれています。

 

 この「現実の」世界(機械に支配された未来の世界)では太陽光が地球に届かなく、人類も機械の支配から隠れている為、まともな食事は残っておらず、お粥のような粗食だけしか残っていないです。

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*現実の世界の食事

 

一方、登場人物の1人が仮想の世界でステーキを食べるシーンがあります。人類を支配する為に機械が作った仮想現実、マトリックスの中ではステーキの味や食感を本物らしく再現して、あたかも本当に食べてるかのように錯覚させています。

 

上:マトリックスの中(仮想)での食事

下: 機械に支配された世界(現実)での食事

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この映画は、目を覚ませ!と視聴者を煽ります。

実際に監督達が製作中に聴いていた曲は文字通り目を覚ませという曲で、その曲を演奏していたのが90年代を代表する過激なバンド、Rage Against the Machine(レイジ・アゲンスト・ザ・マシーン=直訳すると機械に対する怒り)です。

 

 

RAGE AGAINST THE MACHINE

RAGE AGAINST THE MACHINE

 

 

 

www.youtube.com

 

彼らのデビューアルバムのジャケットは、ベトナム戦争に抗議する為に焼身自殺を図った僧侶の写真を使うというかなり過激なモノ。この曲は映画のエンドロールにも使われてとても印象的でした。

 

では、『マトリックス』では何から目を覚ませと煽っているのでしょうか?

そしてそれがどうレディ・プレイヤー1と関係するのか?

後編に続きます。


http://michischili.hatenablog.com/entry/2018/05/10/183000