【映画19】バベットの晩餐会
またいい映画をみました!
1987年公開の映画、バベットの晩餐会。
派手ではないけど、じんわり幸せが伝わる、じんわりといい映画です。
デンマークの19世紀頃が舞台。
質素な生活をするおじいさん、おばあさんの村に料理上手なバベットというフランス人のおばさんがやってきます。
どんよりとした空に覆われている田舎で、プロテスタントの影響もあって贅沢はだめ、という村です。そこでバベットが豪華絢爛なフランス料理をつくってもてなす。
という話。
それで、バベットが調達する材料をみて村人はびびります。
ウミガメ、ウズラ、ワインにシャンパン、とゲテモノのような物ばかりが運ばれてくるんです。それを見て村人は「悪魔の食べ物を食わされるんだ、食事のことは一切話してはいけないいよ。味わったりしてもだめ。」とバベットには内緒で裏で話を会わせます。
一方でバベットは淡々と準備を進めて晩餐会当日。
最初は村人は黙々と食べているのですが、ちょっとずつ、表情が和らいでくるんです。台詞に出さずとも「ぁあ、うまい。幸せ」と言ってる。
この映画は人物の描き方がいい!
映画を通して「ハレルヤ」しか言わないおじいちゃん。
ワインを一口飲んで、やっぱり水にしなきゃ、と自制したおばあちゃん。
でもワインおいしいわ、とまた飲む。
台詞はないんですが、少し酔って赤くなった顔と、
「でもワインに手が伸びちゃうの。」と言ってるかのような感情がじんわり伝わってくるんです。それ以外にももっと濃いキャラの登場人物がいますが、それは見てからのお楽しみに。
村の風景と役者から、出汁のようにじんわり滲みてる「幸せ」が伝わるいい映画でした。