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ブログを初めて早6年。平成生まれ、米国育ちの映画オタク。元パリコレブランド勤務で今はマーケターやってます。

【本4】タータンチェックの文化史

 久しぶりの更新!

そして暫く映画レビューばかりだったのでたまには本のレビューをします。

タータンチェックの文化史

タータンチェックの文化史

 

 

寒くなってくると見る機会が増えるタータンチェック

チェックにもたくさん種類があるなかでこの本ではタータンチェックに的をしぼって、タータンにまつわる歴史や、エピソードなどを紹介しています。

 

【家紋】

タータンチェックはスコットランド発祥の柄です。

意外と知られていませんが、日本の家紋と似たようにその昔スコットランドでは一族ごとの柄が決まっていました。

 

【タータン禁止令】

上記の理由から、タータンチェックはスコットランドの人のアイデンティティーとかなり深く結びついています。(もちろんスコットランド人全員が一族のタータンを持っているわけではありません)

 

現在ではスコットランドはイギリスという国家の一部になっていますが、過去には何度もイングランドと独立を巡って戦っています。そしてイングランドが勝つと、スコットランドの反乱を防ぐためにタータン着用禁止令が出されたりします。

 

この両者の複雑な関係もこの本を通じて雰囲気はつかめると思います。

 

 

本の中でも紹介されていますが、実在のスコットランドの英雄ウィリアム・ウォレスとハンマー・オブ・ジ・スコッツとして知られる英国王エドワード一世の戦いを描いたブレイブハートもおすすめです。

ブレイブハート [DVD]

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【登録制】

元々は家紋のような役割を果たしていたタータンチェックも、近年に近づいてくるとスコットランドの移民が多い国や、国の中での州ごとにもそれぞれのタータンチェックをもったりします。また、元々軍隊で使われていた柄などもあって名称と柄の組み合わせを覚えられると洋服の見方が少し面白くなるかも知れません。

 

 

【地図が。。】

ということで、この本の着眼点は面白いと思いました。しかし文化史というタイトルをつけるならば、せめて地図を一枚くらい載せてくれて、欲を言えばタータンに関する年表も簡単でいいから最後につけておくれ!そうしたらよりスコットランドとイングランドの位置関係やグレンコーなどの場所も想像しやすくなるのに。と思ってしまいました。

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(from Wikipedia)

(オレンジの部分がスコットランドです) 

 

でもどちらにしろ、面白かった本です。寒くなってきた冬には丁度いい本です。