『狂い咲きサンダーロード』とヴェトモン
今回の映画はこちらです。
1980年公開。石井聰亙(いしいそうご)監督。
石井聰亙監督が、(今は改名して、
サンダーロード、という架空の都市が舞台。
工場夜景とMA-1
今では工場夜景の写真集が出たり、工場夜景ツアーが開催されるまでに至りましたが、1980年当時にこんな退廃的な世界感を撮っていたのは、アキラ(1982年〜漫画連載開始)やマッド・マックス2(1981年公開)に先駆けていた、とも言えるかもしれません。
さて、この映画では脇役の健を取り上げます。
魔墓呂死のメンバーやその他の暴走族たちは革ジャンなどを着ていますが、健だけはMa-
なので、皆様本編をみてください!
ちなみにMA-1とは、アメリカ空軍のパイロットの為のフライト・ジャケット(上着)でした。アルファ・インダストリーズのMA-1が一番有名ですね。
狭いコクピットの中、ヘルメットを被り、-10度〜+
裏地がオレンジ色なのは、
MA-1とヴェトモン
さて、このMA-1、去年(2015年)
その流行りを作ったのは今パリコレで話題のVetements(
さて、そのヴェトモン、
このヴェトモンのデザイナーを務める、デムナ・ヴァザリアは旧ソ連グルジアの出身で、あのマルタン・マルジェラに在籍した後、ルイ・ヴィトン等を経て、2014年に
ここ数年、ハイ・
ヴェトモンの写真2枚をみただけでなんとく雰囲気が伝わるかと思いますが、結構やんちゃです笑。モデルたちは、ヨーロッパの不良のような若者を起用しています。
スティーヴ・マックイーンとナタリー・ポートマン
さて、少しずつ話を戻しましょう。
ヴェトモンはMA-1の新しい着こなしを提案した。サイズ感を極端に大きくして、特に女性が着るとより新鮮、となっています。で、ここでいきなり狂い咲きサンダーロードと繋げるとさすがに強引なので、補足が必要ですね。
MA-1の着こなしがきちんと描かれているのは、スティーブ・マックイーン主演の「ハンター」という映画です。
カジュアル・ファッションでは、未だにこの人を超える着こなしを見たことがありません。キング・オブ・クールと言われるのも頷けますね。
女性がMA-1を着るということであれば、「レオン」のナタリー・ポートマンがいますね。
「狂い咲きサンダーロード」は、以前もこのブログで紹介した「さらば青春の光」にも通じる要素があります。「さらば青春の光」に出てくるモッズ達はM-51という、これまたアメリカ軍の上着を着る暴走族たちですね。(さらば青春の光の方が古いので、狂い咲きサンダーロードは日本版さらば青春の光、とも言えるかもです)
「狂い咲きサンダーロード」は、ファッションの要素はやや少ないですが、世界感、尖った若者などが出てくる映画としてカルト的な人気を誇っています。
更に、この映画、泉谷しげるが美術と音楽を担当していまして、その要素も映画の良さを引き立てるのに一役買っています。
北野武や、タランティーノも絶賛しているような映画、テンションをあげたい時にいかがですか?