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映画で学ぶファッション史

生きたファッションは映画やドラマで学べる! 洋服屋による映画レビュー。 チームで映画も作ってます。

【ファッション史10】黒スーツ 〜フェリーニとタランティーノと、時々、トム・フォード〜その2

スーツ特集第2弾です。
やっと今回からちゃんと黒スーツが登場します。

 

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*暴力描写が苦手な方にはあまりお勧めできない映画です、ご了承ください。
 

 

 
 
 
今や大ヒット映画監督の1人となったタランティーノのデビュー作
タランティーノは香港のカンフー映画、日本のヤクザ映画、ゴダール等が好きなアメリカの映画オタクです。
 
レンタルビデオ屋で働きながら、ほぼ自主制作に近い形で撮ったこの映画で強烈なデビューを果たします。「アメリカ映画は金の臭いがして、単純な作りでダメだ」という人もいますが、タランティーノは今のアメリカ映画界の中でも、いい意味で好き勝手やりながら大作を任されてる稀有な存在です。
 
 
 
この映画、オープニングがカッコイイのでそちらをご覧ください。
 

低予算感は出てますがこの頃からタランティーノらしさが全開ですねえ。

カッコ良いというよりは、ダサカッコイイというのが近いもしれないですね。

 

 

宝石強盗をするために集められた男達。互いの素性はわからず、コードネームで呼び合う。

しかし、宝石強盗は失敗に終わる。

負傷したメンバーもいるなか、裏切り者が出たという情報が入り、男達は互いに銃を向けあう。

 

 

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ハーヴェイ・カイテル演じるミスターホワイトはアニエス・ベーのスーツを着ていたようですが、それ以外の役者はほぼ安いスーツか、人によってはスーツでは無く、黒のデニムを履いているようです。
 
それ以外にもキャラクターによって微妙な差が。
 

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ステーヴ・ブシェミ演じる、ミスターピンクボタンダウンシャツを着てます。
 
 
 
 
 

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ティム・ロス演じるミスターオレンジはボストン型のサングラスをかけてます。
 
 
 
 
ディテールの差はあれど、細身の黒スーツをユニフォームとして着るとかっこいいですね。
この細身のネクタイの具合や、サングラスやデニム、人によってはブーツを合わせてしまう具合が、絶妙です。
 
黒のスーツに黒のネクタイといえば、一歩間違えると喪服に見えてしまいますが、
素性のわからないホワイトさんや、ピンクさん達は強盗をするのに、
「あえて黒スーツを着てる」感がおしゃれに見えるんでしょうね。
 
 
 
 
うまい演出を考えましたね、タランティーノ
 

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と、思ったら監督本人も、ちょい役でちゃっかりミスター・ブラウンとして出演してます。
この笑みがなんとも言えないですね。完全に楽しんでます。
 
 
 
さて、物語は明るいオープニングで始まりますが、その後緊迫したムードが漂い始め、銀行強盗が失敗に終わったことがわかります。
 
 
タランティーノ特有の、キャラクターにべらべら長台詞を言わせる、
また、時間が飛んだり戻ったり、という演出が低予算がながらも物語に良いリズムを生んでくれてます。
 
 
果たして、裏切り者は誰なのか。
タランティーノ演じるミスター・ブラウンはどんな活躍をするのか。
 
 
長編デビュー作とは思えない素晴らしいこの映画は、
この服装無くしては成立しなかったと思います。
 
それでは、次回はついに黒スーツが最もカッコよく見える映画をご紹介します!
乞うご期待!