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映画で学ぶファッション史

生きたファッションは映画やドラマで学べる! 洋服屋による映画レビュー。 チームで映画も作ってます。

【ファッション史8】黒スーツ 〜フェリーニとタランティーノと、時々、トム・フォード〜その1

今年は猛暑になるようですね。

クールビズが本格始動する前に、スーツのお話をしましょう。

 

今回は、この映画。

シングルマン コレクターズ・エディション [DVD]

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トム・フォード監督、2009年公開。
 
 
ファッション好きな人ならば、パッケージくらいは見たことはあると思います。
最近は人気のメンズ雑誌の表紙にもなってましたね。
  
POPEYE(ポパイ) 2015年 12月号 [雑誌]

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この映画を監督したのは、デザイナーのトム・フォード。
アメリカ人ですが、グッチやイブ・サン・ローランのデザイナーも務めた後、自身のブランドを手がけてます。トム・フォードはメンズ服に関してはイギリス贔屓なようで、スーツにも定評があります。
 
「男なら、一度は着たい、トム・フォード
とか言ったり言わなかったり。
 

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ここ最近のダイニエル・クレイグが主演している007ではトム・フォードのスーツが使われています。所謂王道、ですね。
 
 
 
さて、そのトム・フォードが映画を撮りました。元々美術史や、インテリアデザインを学び、俳優も目指していただけあって、映画全編通して耽美なムードが漂います。
 
 
 
主人公が住む家はフランク・ロイド・ライトに師事していたジョン・ロートナーのガラス・ハウスという建物です。アメリカ西海岸らしい、暖かい気候と明るい日差しを取り込めるような大きな出窓と、ガラスの戸が気持ち良さそうですね。湿気の多い日本では同じ様な設計は難しそうです。
 

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空間を区切るような大きな壁は少なく、代わりに空間を上から包むような広い屋根も特徴的ですね。
 
 

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さて、アメリカの大学で教えるイギリス人の教授を、これまたイギリスのコリン・ファースが演じてます。
 
 

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 黒縁眼鏡に、ウィンザーノットのタイ、そしてダークブラウンのスーツ。
(すみません、タイトルは黒スーツですが、この映画は黒ではなかったです。汗)
 
カッコイイですねぇ。これはある程度年齢を重ねないと出せないカッコよさだと思います。
 
 

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ちょっと画質が悪いですが、この二人のシャツの襟とネクタイの太さを見比べていただくと、いかにコリン・ファースのほうがすっきりしているかがわかりますね。

 

 

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襟の収まりと、ネクタイの小さなノット(結び目)が洗練された雰囲気を出し、やや大きいフレームの黒縁眼鏡がより理知的に見せています。いかにも大学教授らしい。
 
 
 
前のマイ・インターンの紹介ではクラシック・ファッション(主に小物中心)を取り上げましたが、スーツを取り上げませんでした。
確かにおしゃれな紳士を描いていますが、デ・ニーロの年齢がちょっと高すぎるのと、正直シングルマンのほうが断然スーツの魅力が満載です。

 

そして前々回の、【服と映画6】さらば青春の光とM-51 - michischili 's note book

モッズと同じく、このシングルマンの舞台も1960年代です。

建築もそうですが、インテリアや小物も60年代らしさを忠実に再現していますね。まさに神は細部に宿る。

服も建築もこだわっているこの映画、デザイン全般に興味のある方は見て損はないと思います。

 
 
 
 
 
 
 
と、少し長くなりましたが、おそらくこれくらいの解説は既にファッション誌などでされているでしょう。 
  
しかし、このブログはここからが、違います!
 
 
 
タイトルにもある通り、このシングルマンを起点にスーツが魅力的な作品を連続で紹介します。
最終的にはシングルマンの元ネタになったのではないか、という作品にも行き着きます!
 
 
それでは、またお会いしましょう!