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映画で学ぶファッション史

生きたファッションは映画やドラマで学べる! 洋服屋による映画レビュー。 チームで映画も作ってます。

【ファッション史2】Royal Tenenbaumsとスポーツファッション

洋服屋による映画紹介の2回目。

今回ご紹介する映画はThe Royal Tenenbaumsです。 

 

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 【The Royal Tenenbaums】 

2001年制作。監督はアメリカ人でありながらも、アメリカよりもヨーロッパや日本で人気のある印象の、ウェス・アンダーソン

この監督、アメリカ南部のテキサスという、カウボーイ的なアメリカン男子が多いイメージの州出身ですがね、本人は全然違うタイプです。

今風に言うと草食っぽい。

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コーデュロイや、ベルベットのセットアップをさらっと着こなしてるのがトレードマークです。

 

 

そんなウェス・アンダーソンが作る映画は作り物感が満載です。もちろんいい意味で。 豊かな色彩、奥域の無い紙芝居の様な独特なカメラワークに、そして何よりもこれから紹介するような個性豊かなキャラクター達がいて、クスッと笑えてどこかジーンとくるアンダーソンワールドは作られています。

 

この映画は、家族仲の悪いテネンバウム 家の物語。天才兄妹3人と学者の母が暮らす屋敷に、元弁護士で家を出て行った放蕩父?が数年振りに戻り、関係を修復しよう、という話。

 

この兄妹の次男、Richie Tenenbaum のファッションに注目。

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キャメル色のコートがいいですね。 でもヘヤバンドもして、パッと見、危ない人ですねえ。

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サングラスもかけたら尚、怪しい。。

 

 

 

このRichieは天才テニス少年と持て囃されていたにもかかわらず、突如として引退、そして世界中を船で旅するという一癖あるキャラクターです。

さて、この服装、突拍子もない映画用の衣装だと思いきや、こんなものを見つけました。

 

 

 

Vogue Homme 10月号「グランドスラム」 

 

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特集のタイトル通り、テニスに着想を得たのでしょう。(もしからしたらこの映画にも影響受けているかも)

そしてこの特集(映画)は今のファッションのトレンドを映し出しているのです!

 

 

ファッション業界ではここ数年、スポーツテイストを取り入れることが一つのトレンドになっています。

ニューバランスのスニーカーブームに火がつき、adidasによるstan smithの復刻、nikeによるair max、そしてhuaracheの復刻などと、スポーツメーカーによるスニーカーブームが大きな波となっていますね。

 

スポーツ×ファッションが今注目される理由とは? | Fashionsnap.com

 

この波は、いわゆるラグジュアリーブランドと呼ばれる高級ブランドにも影響を与えました。celineによる高級スリッポン、givenchyraf simonsによるnikeadidasとのコラボレーションも記憶に新しいです。

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さて、足元から始まったスポーツブームですが、実際の服にもスポーツ要素を取り入れる動きが出てきています。スポーツウェア独特の発色のいい蛍光色などをふんだんに取り入れるsacaiや、このブームが始まる前からnikeとコラボレーションをしたライン(gyakusou)を発表していたundercoverなどはその筆頭でしょう。

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NIKE x sacaiによるコラボレーション

 

別の視点でみると、スポーツテイストを取り入れ、より大きなトレンドである、「リラックス感(抜け感)」を演出できるかどうか、というのがポイントになります。

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キャメルコートにスニーカー、とてもわかりやすい例ですね 。

 

 

 

アンダーソン監督本人の服装も、richie tenenbaumの服装も、本来であれば比較的フォーマル、またはオジさんっぽい服装ですが、色や素材の組み合わせで見事に抜け感を出しています。

 

こうやって俯瞰すると、映画の服装も怪しすぎず、違和感なく真似できるかも?

と思う方、やはりあのヒゲは結構インパクトありますので、流石にそこは真似はしなくてもいいかもですね。

 

 

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