スポーツ・ファッションと言えば、この映画。『ロイヤル・テネンバウムズ』がお洒落!
今回ご紹介する映画は『ロイヤル・テネンバウムズ』 です。
監督はアメリカ人でありながらも、アメリカよりもヨーロッパや日本で人気のある印象の、ウェス・アンダーソン。この監督、アメリカ南部のテキサスという、カウボーイ的なアメリカン男子が多いイメージの州出身ですがね、本人は全然違うタイプです。今風に言うと草食っぽい。
コーデュロイや、ベルベットのセットアップをさらっと着こなしてるのがトレードマークです。
テニス・ファッション
そんなウェス・アンダーソンが作る映画は作り物感が満載です。もちろんいい意味で。 豊かな色彩、奥域の無い紙芝居の様な独特なカメラワークに、そして何よりもこれから紹介するような個性豊かなキャラクター達がいて、クスッと笑えてどこかジーンとくるアンダーソンワールドは作られています。この映画は、家族仲の悪いテネンバウム 家の物語。天才兄妹3人と学者の母が暮らす屋敷に、元弁護士で家を出て行った放蕩父?が数年振りに戻り、関係を修復しよう、という話。この兄妹の次男、リッチー・テネンバウム のファッションに注目。
キャメル色のコートがいいですね。 でもヘヤバンドもして、パッと見、危ない人ですねえ。
サングラスもかけたら尚、怪しい。。 このリッチーは天才テニス少年と持て囃されていたにもかかわらず、突如として引退、そして世界中を船で旅するという一癖あるキャラクターです。さて、この服装、突拍子もない映画用の衣装だと思いきや、こんなものを見つけました。 Vogue Homme 10月号「グランドスラム」
特集のタイトル通り、テニスに着想を得たのでしょう。(もしからしたらこの映画にも影響受けているかも)そしてこの特集(映画)は今のファッションのトレンドを映し出しているのです!
スポーツ・ミックス・ファッション
ファッション業界ではここ数年、スポーツテイストを取り入れることが一つのトレンドになっています。ニューバランスのスニーカーブームに火がつき、アディダスによるスタン・スミスの復刻、ナイキによるエアー・マックス、やハラチの復刻などと、スポーツメーカーによるスニーカーブームが大きな波となっていますね。
スポーツ×ファッションが今注目される理由とは? | Fashionsnap.com
この波は、いわゆるラグジュアリーブランドと呼ばれる高級ブランドにも影響を与えました。セリーヌによる高級スリッポン、ジバンシィやラフ・シモンズによるナイキやアディダスとのコラボレーションも記憶に新しいです。
スポーツ・ブランドとデザイナー・ブランド
さて、足元から始まったスポーツブームですが、実際の服にもスポーツ要素を取り入れる動きが出てきています。スポーツウェア独特の発色のいい蛍光色などをふんだんに取り入れるサカイや、このブームが始まる前からナイキとコラボレーションをしたライン(gyakusou)を発表していたアンダー・カバーなどはその筆頭でしょう。
NIKE x sacaiによるコラボレーション
別の視点でみると、スポーツテイストを取り入れ、より大きなトレンドである、「リラックス感(抜け感)」を演出できるかどうか、というのがポイントになります。
キャメルコートにスニーカー、とてもわかりやすい例ですね 。アンダーソン監督本人の服装も、リッチーの服装も、本来であれば比較的フォーマル、またはオジさんっぽい服装ですが、色や素材の組み合わせで見事に抜け感を出しています。こうやって俯瞰すると、映画の服装も怪しすぎず、違和感なく真似できるかも?と思う方、やはりあのヒゲは結構インパクトありますので、流石にそこは真似はしなくてもいいかもですね。昨今流行りのスポーツ・ファッション。ラグジュアリーブランドもこぞってスポーツテイストを取り込んでますが、この映画は遥か昔、2001年の制作。やっぱウェス・アンダーソンはお洒落だわ。
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