映画で学ぶファッション史

生きたファッションは映画やドラマで学べる! 洋服屋による映画レビュー。 チームで映画も作ってます。

【ファッション史1】Peaky Blindersとスーツ

久しぶりの更新ですが、新しい切り口でブログを書いてみます。

今回からは映画の単なる紹介ではなく、洋服屋ならではの視点で映画を紹介していきます。

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【Peaky Blinders】

2013 BBC制作のTVドラマシリーズ。

日本ではこの秋上陸したばかりのNetflixでシーズン2まで放送されてます。 

 

そう、早速ですが記念すべき第一回目は映画ではなくてドラマです!

この切り口で新しくブログを書いていこう!と思ったきっかけがこのドラマなので、その点だけご了承ください笑

 

 

 

1910年代、イギリスのバーミンガムを舞台としたドラマ。アイルランド系マフィアの話です。さて、このドラマの主人公であるトミー・シェルビー(下の写真で右端の人)や主要なキャラクターの多くはキャスケットを被り、ツィードのスリーピースジャケットを着ています。

 

 

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キャスケットとは前につばがあるふっくらとした帽子。ハンチングよりボリュームがあります。新聞配達をしていた少年達がかぶっていて、ニュースボーイキャップとも言われますね。

 

そしてスリーピースとは、ジャケットの下にベストを合わせて完成されるスタイルですね。ベストではなく、ウェウストコートというのが正式で、ジャケット、パンツ、ベスト全てが同じ生地であるのが本来のスーツの姿です。

さらに、ベルトではなく、サスペンダー(英国では"braces"ブレイシーズと言います)をつけるのが正式です。そして首元には白の丸襟のシャツ。

この着こなしが、きちんとしているけど、ちょっと外している、アンチ・ヒーロー像を描くのにぴったり。

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髪型もかっこいい。

 

ちなみに、上記の生地のスーツは当時も今もフォーマルな生地ではありません。

上記が労働者の服装を体現していたのに対して、上流〜中流階級の服装は刑事役のキャラクターが着ています。

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ボーラーハット(山高帽)を被り、スーツの生地もツィードよりはフランネルのような綺麗な生地に見えますね。こちらのほうが英国ファッションの中でも正当な服装に近いです。

 

 

さらにこのドラマ、敵対するイタリアンマフィアも登場しますが、イギリスとイタリアのそれぞれの国の服の特徴をきちんと表しています。

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フェドラハット(中折れ帽)を被り、色鮮やかに着こなす。フェドラハットといば、イタリアのボルサリーノ社のハットが有名ですが、前述したボーラーハットより柔らかいため、ソフトハットとも言われます。

 

 

ブランドや物によっては違いますが、国別のスーツの特徴をまとめると、

イギリスは質実剛健、悪くいえば地味。

イタリアのスーツは、軽く、華やか、悪くいえばチャラい。

 

もちろん本家はイギリスなので、イギリスの服を知っておくのは損ではないでしょう。

とはいえ、このドラマのまんま、洋服を現代日本で来たらコスプレっぽくなりますので、この服装の雰囲気が感じられて、日常でも取り入れられそうなポイントとブランドを紹介して終わります。

 

簡単なのは、何時もの白シャツを丸襟に変えてみる。もちろんネクタイのノットは小さめで。それだけで首回りの印象が変わります。 

 

ブランドで言えば、Paul Harnden

 

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Christopher Nemethや、Nigel CabournもPeaky Blindersっぽいですが、ドラマの男達から感じるストイックさ、近より難さ、そしてジャケットのかっこよさでいえば、

やはりPaul Harndenではないでしょうか。

Paul Harndenは値段的にも近より難いですが、いつかさらっと来こなせるようなおじさんになりたいですね。

 

 

それではまた次回!