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映画で学ぶファッション史

生きたファッションは映画やドラマで学べる! 洋服屋による映画レビュー。 チームで映画も作ってます。

【映画36】インターステラー

 デビュー作以外、全ての作品を追ってみてきたクリストファー・ノーラン監督の最新作、インターステラーを見てきた。

 


映画『インターステラー』最新予告編 - YouTube

 

【あらすじ】

もう地球には食料がなく、人類は住めなくなる。

食物も、人の気管支も、建物もすべてをダメにする砂嵐に人々は辟易としていた。

そんな近未来を舞台にしたSF映画。

 

 

 

マシュー・マコノヒー演じる主人公のクーパーは元宇宙飛行士兼凄腕のパイロット。

ある事故がきっかけでパイロットの仕事は辞め、今はトウモロコシ農家として自分の父と、息子と娘と暮らしている。

 

さてこのクーパーさん、パイロットでもあり、エンジニアでもある為映画の中では「知識人」として描かれている。謎の砂嵐や疫病によって食物を作れずにいるアメリカの田舎街に暮らす一家の母親は、多くは語られ無いが、亡くなってしまったようだ。

 

夢を諦め、妻を無くし、人類は飢餓に苦しむ。

クーパーは農業が嫌いだった。

 

そんなクーパーの10歳の愛娘のマーフィー(男につけられがちなこの名前の由来は映画内で明かされる。)は父の影響を受け、好奇心旺盛で負けん気が強い。

アメリカによるアポロ計画は実はアメリカ国家によるプロパガンダであり、人類は月になど行っていないとういう教育を学校でされている中でマーフィーは問題児扱いされていた。

 

ある時からマーフィーは自分の部屋の本棚から本が定期的に落ちることを父に報告する。幽霊がいると思う、と。しかし科学を信じる父からは「そんな物はいないんだ。怖がる前にまずは法則を見つけ出してごらん」と少し厳しいが為になる助言をする。

(とはいえ自分が10歳だったら普通に怖いわ)

 

こまめにメモを取り、モールス信号ではないかとマーフィーは推測。

と、ほぼ時同じくしてクーパー家周辺のトラクターが突然全て無人の状態でクーパー家に集まってくる謎の出来事がおこる。そしてまたやってくる砂嵐。

 

クーパーはマーフィーの取ったメモを見るとそれがモールス信号ではなく2進法を元にしたメッセージである場所の緯度と経度を表していることに気づく。

 

地図を片手にその謎の地に向かうクーパー。

そこで彼を待っていたのは、、

 

 

【感想】

やってくれました、ノーランさん。

ストレートに良い映画でした。

 

監督本人がどこかのインタビューでも語っていますが、この映画はあえてCGの利用を最小限にとどめているとのこと。CG全盛期になぜそんなことをするのかというと、

「70年代の映画をみて育ってきた僕にとってはこっちのほうがよっぽどリアルだから。」と監督。しかもCG使うよりお金がかかるそうです。

 

同じく宇宙を舞台にした映画グラビティと比較すると映像に「リアリティ」は欠けます。

でも宇宙に行ったことがある人間がほとんど居ないこの現代において、リアリティってなんでしょうね?笑

 

この映画は、 キューブリック2001年宇宙の旅とロバート・ゼメギスのコンタクトを参照そして乗り越えようとして作られたことが伺えます。

 

 

 

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 それぞれの映画の説明はまた別の機会にゆずるとして、似ている点をいくつか。

 

【音楽】

2001年宇宙の旅

(特にリヒャルト・シュトラウスリゲティなどの音楽が多様されている。ドイツ的な「クラシックは荘厳で抽象的な時代を越える音楽だ」という伊・仏に対するある種のコンプレックスのような音楽)

 

インターステラー

ドイツ出身で多くのノーラン作品の音楽を手がけているハンス・ジマー。軽快で明るい音楽ではなく、弦楽器をたくさん使った重い音楽をつくります。個人的にはある種「ドイツ的」な音楽だと思う。

 

 

【映像での語り】

1つのシーンのカットが長い点(宇宙船のドッキングなど)、説明があまりないまま進行する、印象的に現れる謎のオブジェなどは2001年もインターも共通しています。

 

【テーマ】

コンタクトは地球外生命体との交信の話なのに宇宙に行くシーンがほとんどない。宇宙に強い憧れを持つ少女が父親(母親は主人公の生後に亡くなり、後には父親も亡くなってしまう大変な苦労をしている)に無線の使い方や天文学の基礎を習い、成人してからは電波望遠鏡の周りを男顔負けのエネルギーでぶいぶい走り回る。

 

インターステラーも似たように10歳ほどの少女が父親の薫陶をうけ、一流の学者となっていく様が描かれている。

 

【方便なのか詩なのか】

Dylan Thomasというウェールズ出身の有名な詩が印象的に使われていたり、

聖書のラザロの話が引き合いに出されたり、

元ネタがわからなくてもこの映画を見たことを機に元ネタ探ししてみたいですね。

 

あと、これもインタビューでの発言であったようですが、最近はスマホやネットなどの技術がどんどん進化していて人間は宇宙に興味が無くなってしまった気がする。と。

もちろんスマホの技術もいいけれど、内に内に入って行ってインセプションのような世界に陥るくらいなら、外に出て行こうぜ!というポジティブな考えがあるようだ。

賛成です。

 

 

2001年が冷たいながらも、無駄の無いSF映画だとすれば、

コンタクトはより人間の感情を取り上げている暖かい映画。

 

 

そしてインターステラーは?

 

カート・ボネガットとか仏教関連の本を読みたくなった。