【映画17】ラストタンゴインパリ
1900年のベルトルッチ監督による映画。
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1972年公開のこの映画はベルトルッチの本国イタリアでは上映禁止、監督本人は有罪判決をうけ、マリアシュナイダーはこの映画出演後の人生が大きく変わってしまったという問題作。
なにが問題かというと猥雑なシーンが多いからということだそうです。上映当時はこれはポルノかアートかなんて議論で大きく問題になったそうですが、町山智浩さんによると、問題だったのはエッチのシーンでカトリックの祈りをマーロンブランドが言っていたところだったようです。
カトリックの本拠地イタリアで露骨な権威の否定、しかも描写がよろしくない。ということじゃ問題になりますね。まぁベルトルッチはわりと共産主義的な人で、(師匠のパゾリーニはもっとコアな共産主義者だったみたい)日本で連想されている以上に共産主義はヨーロッパでは反・カトリック的だったのかなぁと思います。
難しい話はおいて、この映画ではマーロンブランドという中年のおっさんが世界と隔絶しても女子大生と過ごし真の愛は成り立つのか?と考えています。
お互いに名前も素性も明かさず貸しアパートで共に過ごすという、今でも出会い系サイトなどがきっかけでニュースになってもおかしくないような設定です。
簡単に言ってしまえば、このおっさんは最初はカリスマ性があった(かの様に見えた)のに、だんだんただのしょうもないおっさんであることがばれる、という話です。
個人的にはブランドの狂ったでたらめな演技が面白かったし、パリの町並みも良かった。フランシスベーコンの絵がモチーフと監督も言っているみたいだけど確かにそれっぽさが出ていて面白い。
当時は大問題だったみたいですが、今みたらそこまで猥雑でけしからん、とは思わないしもっと悪趣味な映画はたくさんみたけどこれはそこまで悪趣味ではないかな。
ちなみにマーロンブランドの奥さんは謎の自殺を遂げてしまい、ブランドはそこに引きずれられているのですがこの設定とパリのビルアケム橋は後にインセプションに引用されています。そうやって見比べても面白いかもしれないですね。