【映画16】ベニスに死す
地獄に堕ちた勇者どもに続く、ヴィスコンティさんの作品です。
この映画に関してはこちらからどうぞ
http://michischili.hatenablog.com/entry/2013/10/25/010341
1971年公開。
海の都の物語を読んだあとに見たので海からベネチアに入るという冒頭のシーンで興奮しました。大げさにいうとこの映画で一番興奮したのはそこかもしれません笑
ドイツの名作曲家(マーラーがモデル)が休暇のためにベネチアにやってきて美青年に心を奪われてしまう。という話。
と、それだけだとただの男色の話に聞こえますが、途中で主人公の作曲家と友人との間に行われる「美」についての大議論がとても印象的でした。あ、このシーンも冒頭のシーンくらい興奮しました。
絶対なる道徳的な「美」はあるのか。
それとも醜いものも、非道徳的なものも「美」として成り立つのか。
みたいな議論をしてました。
あまり詳しくないですがクラシックでいうと、
1)ワーグナーが出てきて、それ以降シェーンベルクが登場してついにジョンケージあたりで音楽が破壊される一つの流れ。
2)ワーグナーの流れからより完璧である種崇高な体験をもたらす?マーラーのような音楽の流れ。
や、ダダイズムやシュールレアリズムの登場などとも通じるような話で面白かったです。
綺麗なんでしょうけど、個人的にはマーラーの音楽とヴィスコンティの映像はちょっと綺麗すぎる感じがしました。でも綺麗すぎてもう退廃的な感じもして一戦を超えた上で見えるより綺麗な美しい世界、なんでしょうか。よくわからなくなってきましたがまたたくさん映画を見たり、音楽聞いたり、本を読んでから改めてじっくり見てみたいですね。