【映画5】レンブラントの夜警
日本でもおなじみのレンブラント・ヴァン・レインの傑作、夜警を巡るミステリー。公開は2007年でも舞台は17世紀。(夜警の制作は1642年)
同時にレンブラントの悲壮な人生を描いた作品でもあります。
他の作品はわりと悪趣味なものが多いピーター・グリーナウェイという人が監督。ただ、この人は絵画を勉強していただけあって、映像がとにかく綺麗です。
冒頭のシーンが、暗い部屋から始まるのですがカーテンをあけていくと朝日が少し筒映り込んでくる。この流れがほぼワンカット、ワンシーン、そして最初と同じ位置からの視点(カメラが動かない)なので演劇を舞台の正面から見ているかのような気持ちになります。
もちろんこれはレンブラントの作品とも通じます。光を劇的に使い現実の闇をあぶり出そうとした、そんなような表現がレンブラントの作品にはあると僕は思っています。実際この映画ではレンブラントのその鋭い嗅覚で当時のオランダ社会の闇を嗅ぎ付けそれを絵に残す過程で生まれるどろどろとした人間関係を醜いながらも綺麗に描いています。
と、抽象的な話になりすぎました。
とにかく普通の映像に飽きた人には全力でおすすめできる面白い作品でした。
陰影を強調した絵画的な映像、そして貴族社会の儚さやそれに巻き込まれる人々のドラマという点では前に紹介した( http://michischili.hatenablog.com/entry/2013/09/27/002454 )
キューブリックのバリーリンドンと近いものがあると思いました。