【映画4】Underground
旧ユーゴスラビア出身のエミール・クストリッツアによる作品。
公開は1995年。
第二次世界大戦でナチスによる占領から、ユーゴ紛争で昨日までの隣人を殺し合うという大虐殺を経て祖国が解体されてしまうとういう実話に基づく悲劇の話です。
ただし、この映画の魅力は戦火に巻き込まれないようにと地下に避難所を作って村のように暮らしている人たちの人生が描かれていて喜劇にも見えるんです。
いや、もちろん悲惨な話なんですがとにかく生きてるって素晴らしい!そう思える素敵な作品なのです。とにかく映画の出だしからリオのカーニバルばりの激しさのジプシーブラスバンドの大音量による演奏が始まります。
登場人物はことあるごとに適当、もしくは自分勝手な人ばかりです。
自分たちの住む街が爆撃され始めているのに出産直前の奥さんを放置して不倫相手を探しいく電気工事士。
工事士の親友で共産党で存在感を出し始めたインテリ。
工事士とインテリの二人の男に翻弄される女優。
歴史が人を翻弄したのか、人の身勝手さが歴史を変えてしまったのか。
そんなことを考えてしまうくらいこの映画の登場人物のキャラと物語の展開がマッチしている気がします。
ただことあるごとにみんな酒を飲んでは歌って踊って、騒ぐ。
とにかく元気いっぱい。
ちなみに地下の村のセットも凝っていて、ごちゃごちゃした人間臭い感じがプンプン漂っていて最高です。
最後のシーンは夢の中の更に夢のようなスーっと晴れた気持ちになれます。
3時間もする長い映画ですがぜんぜん空きません。
人生でみた好きな映画のベスト5に突然入ってきた名作です。